「筋肉をつけながら脂肪は落としたい」
トレーニングをしているほとんどの方が望んでいるのが脂肪はつけずに筋肉を増やす。これではないでしょうか。
しかし、ながらく筋トレ界隈では「筋肉量を増やすためには増量期(体重を増やし、筋肉量を増やす時期)を経て減量期(摂取カロリーを減らし体重減少とともに脂肪を減らす時期)を繰り返していくことで脂肪を落としつつ、筋肉量を増やしていくことが効果的」という方法が筋肉量を増やしつつ脂肪の少ない身体をつくっていく唯一の方法だとされてきました。
多くのトレーニーもこれこそが最適解であるとして、毎年一定期間で区切って増量期と減量期で食事量や運動量を調整して励んできたのではないでしょうか。
しかし、そんなトレーニーの方々に朗報です。
じつは最近の研究では除脂肪しつつ筋肉量を増やしていくという、これまでは難しいとされてきたことがある条件を満たすことで可能になるという事実があきらかになっています。
そこで今回の記事では脂肪を減らしつつ筋肉量を増やしていく方法についてご紹介していこうと思います!
カロリー摂取量の減少は体脂肪減少とともに筋肉量も減らす

トレーニングにより筋肉をつけるためには肉や魚などからタンパク質を十分に摂取することはもちろんのこと、十分なカロリーを摂取することが重要です。
カロリーは運動するときなどのエネルギー源として認識されていることが多いですが、じつはタンパク質を分解しアミノ酸にして体内で筋肉を合成する際にも必要とされます。このときにダイエット等で十分なカロリーを摂取できていないと、筋肉を合成するのに必要なカロリーが足りずにトレーニングによる筋肥大効果を十分に得ることができなくなり、筋肉の分解と合成のバランス(体内では常に筋肉は分解されつつ、新しい筋肉が合成されます)が崩れ、合成が分解に追いつけずに分解が上回り筋肉量が結果的に減少してしまいます。
このことから「ダイエットと筋肥大は両立しない」と考えられ、増量期に体脂肪が増えるのを覚悟で摂取カロリーを増やしつつ筋肉量の増加も果たし、減量期で増量期に筋肉と一緒に蓄えてしまった脂肪を落としていくというサイクルを繰り返していくという方法が一般的でした。
しかし、近年の研究により条件によっては体脂肪を減少しつつも筋肉量を増やしていけるということがわかりました。
筋肉量を減らさずダイエットを成功させるには

2021年Murphyらの発表によればカロリーの摂取制限によりトレーニングによる筋肥大効果は低下するが、筋力向上については影響がないという結果が。さらにカロリー制限を500キロカロリー以上にすると筋肥大効果は阻害されるが、500キロカロリー以内に抑えることで筋肥大効果を阻害せずに除脂肪をすることができるということをあきらかにしています。
- カロリー摂取制限は筋力向上効果には影響ない
- カロリー制限を500キロカロリー以内にすることで筋肉量を減らさず除脂肪できる
ダイエットを成功させるにはカロリー制限により「摂取カロリーと消費カロリーの収支をマイナスにする必要があります。この際のカロリー制限は自分自身の消費カロリーより-500キロカロリー以内になるように設定するようにしましょう。
このほか、筋肉量を維持もしくは増加させつつダイエットするために大切なことは「習慣的なトレーニング」と「タンパク質量の確保」です。筋肉を増やすためには当然ながらトレーニングによって筋肉に刺激を与える必要があります。そして負荷をかけた筋肉を大きくするためには材料となるタンパク質が足りていなければなりません。特に摂取カロリーが不足しているダイエット期間は通常よりも多量のタンパク質が筋肉量維持増加には必要なので注意が必要です。
ダイエット中のタンパク質摂取量

ダイエット中は筋肉量が増えにくい環境にあり、筋肉量を増やしていくためには前述したとおりトレーニングに加えて通常よりも多量のタンパク質摂取が求められます。
果たしてどれくらいのタンパク質を摂取すると効果的なのか。この問いにオタワ大学Mikael F. Kanaanらの研究によれば「体重×1.2g~1.7gのタンパク質摂取で筋肉量を維持できる」としています。
また、以前の記事でも紹介しましたが別な研究では体重×1.6gとするものも。これらを総合的に考慮すると体重×1.6g以上を目標にタンパク質を摂取するようにするのがいいでしょう。
よく「筋肉をつけるなら体重×2gのタンパク質摂取」という説明を耳にしますが、体重×2gという数字は正直一般的的にはかなり困難な数字。ちなみにコンビニで売られているサラダチキンでは1つでおよそ20g程度のタンパク質がとれるので、体重70㎏の人が体重×2gのタンパク質を摂ろうとすると1日に140gのタンパク質が必要となり、サラダチキンに置き換えると7つは食べなければいけない計算に。
もちろんこれだけの量を食べられるのなら問題ないのですが、多くの場合かなり大変かと思います。しかし、先ほど紹介した体重×1.6g以上であれば、同じ体重70㎏の方でも112gと30近くも少ない量で済むことになり、かなりハードルは下がると思います。このくらいの量であれば全体的にバランスのいい食事を心がけたいうえで少しプロテインを追加するなどタンパク質摂取を意識した食事にするだけでも達成できる範囲になるはずです。
まとめ
今回の記事ではダイエット中にどうすれば筋肉量を減らさずにダイエットすることができるかについて解説しました。ダイエット中にポイントとなるのは「カロリー収支を-500キロカロリー以内で制限」「習慣的なトレーニング」「体重×1.6g以上のタンパク質摂取」この3点を心がけてみてください。
身体は食事からつくられます。いかにいいトレーニングをしても食事で必要なエネルギーや栄養が摂取できていなければ理想の身体になることはできません。
今回の筋肉量を減らさずにダイエットする方法をぜひ実践して、理想の身体へ近づいていきましょう。
