- 全身法と分割法の特徴
- 全身法のメリット
- 具体的なトレーニングプログラム
「筋トレを始めたもの、なかなか理想の身体に近づかない…」
「本当にこの方法であっているんだろうか?」
「筋トレ情報が溢れていて、何が正解なのかわからない…」
もしあなたが、こんな悩みがあるのなら、ぜひ最後までこの記事をご覧ください。
筋トレの世界には、「全身法」と「分割法」という、大きく分けて二つのトレーニングスタイルがあります。
どちらが良いと一概には言えない中で、筋トレ初心者の方などは「自分にはどちらが最適なのか?」と疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、その中でも最近科学的根拠に基づく再評価が行われ、多くの専門家がその有効性を認める全身法でのトレーニングについて解説していきます。
この記事を読み進める段階では、あなたの筋トレに対する考え方は大きくアップデートされるでしょう。
前提として、今回の記事は「筋トレをこれから始める」もしくは「筋トレをしているが、本当にやり方があっているか不安」といったコンテスト出場を目的とするような方を対象とした記事ではありませんのでご理解ください。
筋トレの基本!「全身法」と「分割法」を徹底的に理解しよう

筋トレのプログラムを組むうえで重要な考え方が「全身法」と「分割法」。
ここでは全身法と分割法について特徴を理解しましょう。
全身法とは?その特徴について
「全身法(フルボディトレーニング)」とは、その名の通り、1回のトレーニングセッションで全身の主要な筋肉群(胸、背中、脚、肩、腕など)を全て鍛えるトレーニング方法。
一般的に、週に2~3回の頻度で行われることが多く、各筋肉群に対しては1~数種目ずつ、多関節運動(複数の関節を集中する種目)を中心に構成されます。
このアプローチは、実はボディビルディングが盛り上がる以前から存在する、筋力トレーニングの基本形でした。
一度のトレーニングで全身に刺激を入れるため、各筋肉群への刺激頻度が高くなるのが最大の特徴です。
分割法とは?その特徴について
全身法に対して「分割法(スプリットトレーニング)」は、全身の筋肉をいくつかの部位に分け、日ごとに異なる部位を鍛えるトレーニングスタイルです。
例えば、「胸と上腕三頭筋の日」「背中と上腕二頭筋の日」「脚と肩の日」のように、特定の部位に集中して集中的にトレーニングを行います。 週に4回以上の頻度で行われることが一般的で、各部位に対して多数の種目を行い、その場で追い込むことができます。
この方法は、特にボディビルディングの世界で発展し、特定の部位を極限まで発達させることを目的とするトレーニーに広く採用されてきました。
一度のトレーニングで特定の筋肉群に集中することで、その部位への刺激を最大化、パンプアップ(筋肉が血液で満たされる膨張らむ感覚)を強く感じることができます。 また、一度鍛えた部位は次回のトレーニングまで十分な休息が取れるため、回復を考えやすいというメリットもあります。
筋トレ初心者には「全身法」がおすすめ!その理由について徹底解説

結論から申しますと、筋トレ初心者やコンテストを目指さない一般のトレーニーは分割法ではなく、全身法を採用することをお勧めします。
近年の研究では、筋トレによる筋肥大効果は総負荷量によって決まるとされています。
総負荷量とは「負荷の大きさ×挙上回数×セット数」であらわすことができます。
つまり一定期間にどれだけの負荷をかけたかが筋肥大には重要ということです。
この観点からいうと、極端な例ですが分割法で5分割(脚・背中・胸・肩・腕)で実施した場合、1週間のうちで特定の部位を鍛えることができるのは1回。
先ほどの筋肥大には総負荷量が重要という点からいうと、一定期間あたりの負荷が少なくなる可能性が高くなります。
一方、全身法であれば一定期間に2~3回など高頻度で刺激を与えられるため総負荷量が重要であるという観点からいうと非常に効率が良くなるのです。
1日でたくさんのセット数やりこめば同じでは?
総負荷量が筋肥大に大きく関係しているのであれば、一定期間で複数回のトレーニングで鍛えるのと、1回でたくさんの挙上回数やセット数でやりこめば筋肥大効果は変わらないのでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。
たしかに、その考え方は間違っていません。
しかし、実際に自分でトレーニングしてみればわかりますが1日で同じ部位を鍛えると疲労で、後半挙上重量がだんだんと低下してくるはず。
全身法であれば、週に2~3回の頻度で鍛えても間で1~2日対象の筋肉を休める時間があるので、毎回フレッシュな状態で鍛えることができるので1回で行う挙上回数やセット数が少なくとも、挙上重量が重くなるので1回当たりのトレーニングの質が向上し、結果的に一定期間内での総負荷量が高くなります。

ボディビルやフィジークなどコンテスト出場を検討しているなら分割法もアリ

一般的な体を鍛えたい方であったり、アスリートのトレーニングであれば全身法を基本はお勧めしていますが、将来的にボディビルやフィジークなどのコンテスト出場を検討していて、ある程度高頻度で(週に4~6回など)ジムにいって鍛えることができるかたは分割法もアリだと思います。
というのも、コンテスト出場を目指している場合、より各部位の細かいディテールの完成度の高さがみられることが予想されます。
全身法でのトレーニングの場合、そこまで弱点の部位や通常のトレーニングではなかなか鍛えないような部位(三角筋後部などがいい例)までコンテスト出場を目指すならしっかりと細かく鍛え分ける必要があるので、分割法が有効であるといえます。
全身法でトレーニングするときのポイント

全身法でのトレーニングでおさえておくべきポイントはこの2つ。
- 多関節種目を中心とした内容
- 高重量や多関節種目をプログラム序盤に
多関節種目を中心とした内容
全身法のトレーニングは一度のトレーニングで全身を満遍なく鍛えるトレーニング方法です。
そこで重要なのが多関節種目をプログラムの中心に据えることで、比較的短時間で全身の筋肉を効率的に鍛えるということ。
全身を鍛えるのに単関節種目ばかりでプログラムを組んでいては、非常に時間がかかってしまうためスクワットやデッドリフトのような1種目でより多くの筋肉を一気に動員できるような種目中心にして、ほかの部位よりも発達させたいなど気になる部位に関しては、単関節種目を追加でおこなうようにしていくのがいいでしょう。
高重量や多関節種目をプログラム序盤に
複数の種目を実施する全身法のトレーニングでは、高重量を扱う種目や比較的動作の難易度の高い多関節種目をプログラム前半に行うようにすると安全かつ効果的です。
例えば、ベンチプレスを例に挙げてみます。
ベンチプレスでは主に大胸筋・三角筋・上腕三頭筋の3つの筋肉を使います。
しかし、ベンチプレスの前に三頭筋のトレーニングをいれると肝心のベンチプレスで、三頭筋の疲労がボトルネックになってしまい重量が扱えなくなるということに。
それではせっかく高重量で複数の筋肉を効率よく鍛えられる多関節種目のメリットがなくなってしまうので、注意が必要です。
また、トレーニングの効率だけではなく安全面でも多関節種目を前半に持ってくるべきです。
というのも、例えばスクワットのように動作の難易度が高めの種目の前にほかの種目を行って疲労がたまっていると集中力の低下などからフォームが崩れてしまい腰を痛めるなどのリスクの低下が考えられます。
ぜひスクワットやデッドリフトだったりベンチプレスなどの種目はプログラムの最初の方にいれることをお勧めします。
全身法の具体的なトレーニングプログラム例

今回は自宅で鍛える場合と、ジムに通う場合それぞれの場合でのプログラム例を記載いたします。
ぜひ、みなさんのトレーニングの参考にしてみてください。
トレーニングプログラム例(自宅編)
まずは自宅でトレーニングする場合のトレーニング例。
- スクワット 10回×3セット
- 片脚デッドリフト 片側10回×3セット
- 腕立て伏せ 10回×3セット
- コブラ 10回×3セット
- クランチ 15回×3セット
自宅トレーニング
1.スクワット
スクワットは太もも前側とお尻を鍛えるのに有効なエクササイズです。
股関節の柔軟性アップなどにも効果的でマットなども準備する必要がなく手軽に始められるエクササイズの1つです。
- 足を肩幅くらいに広げて爪先を外に30度ほど開いた状態で立つ
- お尻を後方へ椅子へ座るイメージで突き出しながらしゃがむ
- お尻が膝よりも下にくるまでしゃがむ
- 力強く両脚で立立ち上がる
2.片脚デッドリフト
片脚デッドリフトは太ももの裏側とお尻の側面を鍛えるエクササイズ。ダンベルやバーベルがない自宅でのトレーニングの中では自分の体重だけでも高い強度が出せます。バランスが難しい種目なので最初は壁や棚などに手をついて補助付きで練習するところから始めるといいでしょう。
- 爪先はまっすぐ、腰幅で立つ
- 指は常に床に向けて動作する
- 頭部から足まで一直線にした状態を保ちつつ体が水平になるように倒していく
- 水平まで体を倒したら直立まで戻る
3.腕立て伏せ
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋という上半身の多くの筋肉を鍛えることができるエクササイズ。普段運動習慣のない方にとって強度が高い種目でもあるので、最初は膝を床につけた状態で実施すると強度を下げてやりやすくなります。
- 手の置く位置は乳頭の横かつ、手幅は胸を床につけた状態で地面に対して垂直になる位置で指は正面に向ける
- 頭から足までまっすぐになるように腹筋を緊張させておく
- 胸が床につくまで降りる
- 床に胸がついたらすぐに押し返して腕を力強く伸ばしきる
4.コブラ
肩甲骨の内側の筋肉を鍛えるエクササイズ。姿勢が気になる方や、肩甲骨周辺を引き締めて綺麗にしたい方におすすめ。
- うつぶせの状態(顔は床から数センチ離す)で手を腰の方へ斜め45度程度開いた状態で降ろしておく
- 親指を天井に向けるように手をひねる
- 肩甲骨を寄せながら腕を伸ばした状態で持ち上げ3秒前後キープ
- スタートの姿勢まで戻る
5.クランチ
腹筋を鍛える最もポピュラーなエクササイズ。姿勢も簡単で初心者でも比較的容易かつ効果を実感しやすいのが特徴です。
- 仰向けで寝て膝を90度に曲げた状態で持ち上げる
- 手をこめかみにそえる
- へそを覗き込むように背中を丸める
- 丁寧に背骨を1個づつ床につけるようにおろしていく
トレーニングプログラム例(ジム編)
次にジムでトレーニングする場合のトレーニング例。
- バックスクワット 8回×3セット
- ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
- ベンチプレス 8回×3セット
- 懸垂 8回×3セット
- サイドレイズ 12回×3セット
- アームカール 12回×3セット
- アブドミナルカール 12回×3セット
ジムトレーニング
1.バックスクワット
バックスクワットは脚やお尻を効果的に鍛えてくれる筋トレの王様とも呼べるエクササイズ。バーベルを肩に担ぎ高重量を扱えるエクササイズであるため効果的な反面、転倒のリスクなどもあるので十分にフォームになれてから限界近くの重量を扱うようにしましょう。
- バーを肩に担ぐ
- 足を肩幅より少し広めの幅に設定し爪先は外へ30度ほど開く
- お尻を引きつつ椅子に座るようにしゃがんでいく
- お尻が膝よりも下にくるところまでしゃがむ
- しゃがみ切ったら力強く体が伸びきるまで立ち上がる
2.ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは背中と太ももの裏側を鍛えるエクササイズ。正しいフォーム習得には難易度が高いエクササイズですが、モモ裏を鍛えるのに最高のエクササイズなのでぜひ習得したいエクササイズの1つ。
- 爪先はまっすぐ、腰幅で立つ
- バーベルを順手・腰幅で持つ
- 腰から頭までまっすぐにした状態で股関節から上半身を折りたたむ
- 上半身が水平程度まで下がったら直立の姿勢まで戻る
3.ベンチプレス
大胸筋・三角筋・上腕三頭筋という上半身の多くの筋肉を鍛えることができるエクササイズ。BIG3の1つに数えられる上半身の大きな筋肉をまとめて鍛えられる効率のいいエクササイズ。
- 足・お尻・両肩・頭部が床ベンチについた状態をつくる
- 手幅は肩幅の1.5倍以内で設定しバーベルを握る
- バーを肩の上面に位置するように保持
- バーベルが乳頭の位置にくるようにバーをおろしてくる
- 力強く腕が伸びきるまで押しきり、手が肩の正面にくるようにする
4.懸垂
背中(特に広背筋)を鍛えるのに最高のエクササイズ。併せて上腕二頭筋も鍛えられるため上半身の引く種目としては最高の種目であるといえます。ただし、強度がかなり高いためできない人はゴムバンドなどで負荷を軽減した形で実施するといいでしょう。
- 肩幅もしくは肩幅より少し広い手幅でバーを握る(背中に効かせたいなら順手。二頭筋も鍛えたいなら逆手で実施)
- 力強く体を引き上げる
- スピードをコントロールしながらゆっくり降りる
5.サイドレイズ
三角筋を鍛えるエクササイズ。技術的な難易度が低く、かつ効果も高く初心者にもおすすめなエクササイズの1つです。
- ダンベルを両手に保持
- 両肘を軽く曲げた状態にする
- 両手を水平くらいまで挙げる
- 少し抵抗をかけながら腕をおろしていく
6.アームカール
上腕二頭筋を鍛えるうえで代表的なエクササイズであるアームカール。多関節種目では十分な負荷が与えられない部位なため、ぜひアームカールはじめ単関節種目を追加で行いたい。
- 肩幅でバーベルを握る
- 腕を完全に屈曲させる
- 筋力で抵抗をかけながら腕を伸ばしていく
7.アブドミナルクランチ
腹直筋を鍛えるエクササイズ。技術的な難易度は低いながら、腰のケガなどのリスクが低減するので子育て世代のトレーニングにおすすめ。
- 膝を90度に曲げ仰向けで寝る
- へそを見るように背中を丸める
- 背骨をひとつづつ床につけるように降ろしていく
まとめ
コンテストを出る場合を除けば、基本は多くの場合全身法でのトレーニングを推奨していますが、最終的にはご自身の目的や生活環境などを考慮して、最適なトレーニング方法を模索してみてください。
