ベンチプレスの記録を向上させることはパワーリフターはじめ、多くのトレーニーにとっての大きな目標のひとつ。ときにベンチプレスを一生懸命にとりくんでいても記録が伸びず停滞してしまう時期が来ることもあり、悩ましい種目のひとつでもあります。
もし、あなたがベンチプレスで記録が伸びず悩んでいるのであれば、ぜひチャレンジしてみてほしいのが『ピンプレス』というエクササイズです。なかなか聞きなれないエクササイズ名かもしれませんが、この種目はあなたのベンチプレスの記録更新に大きく貢献してくれるかもしれません。
そこで今回の記事ではベンチプレスの停滞打破に有効なピンプレスのやり方・得られる効果・代替種目について解説していきます。

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長
宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。
ピンプレスのやり方
ピンプレスは基本的な動作は通常のベンチプレスと同じですが、大きく異なるのが「セーフティバーで可動域を制限する」ことと「ボトム(バーを降ろしきったところ)」という点です。ピンプレスはセーフティバーで可動域を制限しておこなうプレス動作であるため、ベンチプレスだけではなくオーバーヘッドプレスでもおこなうことがあります。本記事ではベンチプレスの補強として紹介するため、ベンチプレスでおこなうピンプレスについて解説します。
具体的なピンプレスのやり方は以下を参考にしてください。
- セーフティバーを胸のわずかに手前の高さに設定
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外してセーフティバーに降ろす
- 力強く挙げる
- セーフティバーにつくまで降ろす
- セーフティバーで1~2秒程度止まる
- 5~7を繰り返す
ピンプレスおすすめの挙上回数・セット数
ピンプレスでおすすめの回数・セット数は『3~5回×3~セット』です。
ピンプレスは制限された可動域のなかで、筋力を高めることを目的としたエクササイズです。ここで重要なのはいかに質の高い挙上をすることができるかどうかです。その観点でいうと、挙上回数は少なく1回の挙上に集中して挙げることができる範囲での挙上回数でセットを組むのがいいでしょう。
ピンプレスの重量設定
ピンプレスはボトムから動作し始め、さらにセーフティバーにつくたびに一瞬止まることで筋肉の伸張反射(筋肉が下降局面で引き伸ばされることで、反射で筋肉が急激に収縮しようとする反射のこと)を利用することができなくなるため、ベンチプレスよりも挙上重量が下がってしまいます。
初めてピンプレスをおこなう人はまずはベンチプレスのセットを組んでいる重量の80%程度からはじめてみるといいでしょう。
ピンプレスをおこなうメリット
ピンプレスのメリットは大きく3つ。
- スティッキングポイントでの出力を高められる
- 肩のストレスを軽減できる
スティッキングポイントでの出力を高められる
最もベンチプレスで負荷が高くなるポイントのことを『スティッキングポイント』と呼びます。ベンチプレスでいうと、胸からわずかに挙がったあたりの位置がそれにあたります。
ピンプレスでは、このスティッキングポイント付近にセーフティバーをセットしてあえてスティッキングポイントから動作をはじめます。これにより、最も負荷が大きくなるスティッキングポイントでより強い筋力を発揮しやすくなるように鍛えることができます。
肩のストレスを軽減できる
ピンプレスはセーフティバーで通常のベンチプレスよりも可動域を制限して動作します。可動域が制限されることで、肩関節の屈曲角は小さくなり肩へのストレスは大きく軽減されます。
高頻度でベンチプレスをやっていて肩が痛むときがあるという人は、週に1回はベンチプレスではなくピンプレスに置き換えるというような使い方もおすすめです。
ピンプレスの代替エクササイズ
トレーニング環境などの関係でピンプレスができないという場合に、ピンプレスと同じような効果を得ることができる代替エクササイズがあります。それは『フロアプレス』です。
フロアプレスのやり方は以下を参考にしてください。
- 床に寝た状態でバーを握れる高さにラックのフックをセット
- 床に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーを握りラックから外す
- 床に肘がつくまで降ろす
- 肩の正面にバーがくるように押す
- ③の位置までダンベルを降ろす
- 4~5を繰り返す
フロアプレスはセーフティバーが使えない状況(ラックがないなど)でおこなうエクササイズ。セーフティバーがなくとも、バーを降ろせるのが必然的に床に肘がつくまでで制限されるため、同じような効果を得ることができます。
まとめ
ベンチプレスは多くの人を魅了する素晴らしいエクササイズのひとつです。一方で、記録が伸び悩んで苦しむ人が多いエクササイズでもあります。毎回同じようにベンチプレスをやって記録が伸び悩んでいるのであれば、ぜひ今回紹介したピンプレスをトレーニングプログラムをとりいれてみてはいかがでしょうか。

