フロントスクワットやオリンピックリフティングでバーベルを正しい位置で保持できずに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
フロントスクワットをプログラムに導入してみたけれど、肘の位置が下がって腕でバーを支えなければいけなくなり、満足のいく重量が挙げられずトレーニングにならない!という悩みを聞くことが非常に多くあります。正しいラックポジション(バーの担ぎ方)を習得することは、フロントスクワットやオリンピックリフティングはじめ手関節・肩関節などが関与するエクササイズで非常に役立ちます。
そこで本記事ではフロントラックポジションを上手にできるようにするためのエクササイズや、フロントスクワットの正しいテクニックについて解説します。
正しいフロントスクワットの姿勢
フロントラックポジションとはフロントスクワットやオリンピックリフティングなどで必要となるバーの保持の仕方のこと。バーベルを鎖骨と肩の前面に乗せ、両肘を高く前に突き出しておこないます。
正しいフロントラックポジションは、僧帽筋や脊柱起立筋といった上半身の姿勢を正しく保つうえで重要な筋肉を締めて、腰などに無理な負担がかかりにくい姿勢で動作できるようになるため非常に重要です。
そこでまずはフロントラックポジションの正しい姿勢をフロントスクワットの動画で確認していきましょう。
バーの位置: 鎖骨のすぐ上、三角筋(肩の筋肉)の前方にバーを乗せる
肘の角度: 動作中は肘を前方へ高く突き出し、上腕が床と平行(またはやや上)になるように保ちます。
グリップ: 指先をバーに軽く引っ掛けるか、指の腹でバーを首に押し込むようにして支える
背中の意識: 胸を張り、胸椎(背骨の上部)をしっかりと伸展させる
フロントラックポジションでよくある間違いと修正方法
フロントスクワットはじめ、フロントラックポジションが誤ったテクニックでおこなわれていることが非常に多いです。ここではフロントラックポジションのよくある間違いと、その修正方法を確認してご自身のフロントラックポジションで同じことが起きていないか・起きていれば参考にして修正するようにしましょう。
- 手にバーが乗っている
- 肘の位置が下がっている
- 胸が張れず背中が丸くなる
①手にバーが乗っている
バーが手に乗っていて、握りこんでしまうのはNGです。
フロントスクワットはバーが鎖骨や三角筋のくぼみに乗るようにして、それを指の腹で前方からおさえるのが正しい方法です。
バーが手に乗って握りこんでしまうと、腕でバーを支えることになってしまい高重量が挙げられなくなるといった問題が発生します。
修正方法
フロントスクワットで手にバーが乗ってしまう原因のひとつは『鎖骨・三角筋にバーを乗せる感覚がわからない』というものがあります。これを解消するのにおすすめのエクササイズが『ゾンビスクワット』です。ゾンビスクワットをおこなうことで、手・腕に頼ることのない綺麗なラックポジション獲得にとても有効なエクササイズです。
ゾンビスクワットはバーベルを三角筋と鎖骨の間に乗せておこなうスクワット。フロントスクワットのキモはバーベルを三角筋のくぼみと鎖骨の間でバーベルを支えること。ゾンビスクワットは、この三角筋と鎖骨でバーベルを支える技術を養ううえで非常に優秀なエクササイズです。
- 三角筋のくぼみと鎖骨にバーベルを乗せ、腕は前方へ伸ばす
- 足を肩幅より若干広いくらいに広げ、爪先は30度前後外へ開く
- お尻を後方へ引きつつ、お尻が太腿よりも低い位置にくるようにしゃがむ
- 足裏全体で力強く地面を押す
- 3~4を繰り返す
②肘の位置が下がる
フロントラックポジションで最も多い間違いが『肘の位置が下がっている』場合です。フロントラックポジションの理想は肘の位置が真正面に向いている(上腕が水平もしくは水平より若干高い位置にあること)状態です。
フロントラックポジションで肘が下がってしまうと、バーベルを肩や鎖骨ではなく腕で支えることになり、重量が重くなったときに支えきれなくなるか、手首を強く屈曲させるように負荷がかかり手首を痛めることにつながってしまいます。
修正方法
肘が下がってしまう原因は大きく3つ
- 手首の柔軟性低下
- 上腕三頭筋の柔軟性低下
- 肩甲骨の可動性不足
これらが原因となって正しいフロントラックポジションがとれないといった場合が非常に多いです。これらの柔軟性・可動性を高めることが解決することができます。
手首の柔軟性を高めるエクササイズ↓
上腕三頭筋の柔軟性を高めるエクササイズ↓
肩甲骨の可動性を高めるエクササイズ↓
胸が張れず背中が丸くなる
フロントラックポジションで胸を張れず背中が丸くなってしまうと、重心が過度に前にきてしまいバランスを崩してしまったり腰痛の原因になるなどの問題が発生します。
修正方法
胸が張れない場合、原因となるのは大きく2つ
- 胸椎の伸展可動域が狭い
- 脊柱起立筋をはじめとする体幹の筋力が低い
胸椎の伸展可動域が狭く、正しい姿勢が取れない場合は可動性を高めるようなエクササイズを処方する必要があります。まずはアッパーバックエクステンションのような簡単なエクササイズからおこなってみましょう。
アッパーバックエクステンションはフォームローラーやストレッチポールを活用しておこなう胸椎伸展可動域を出すためのエクササイズ。これをおこなうことでアーチをより高く組みやすくなります。
体幹の筋力が低いと感じている場合は、一旦挙上重量を落とすようにしましょう。
フロントラックのプログレッション
フロントラックポジションで正しく動作するためには、適切なステップを踏んでいく必要があります。フロントラックポジションでのスクワットができるようになるまでにおこなっておくべきエクササイズを順番に紹介していきます。
- ゴブレットスクワット
- ゾンビスクワット
- ストラップフロントスクワット
ゴブレットスクワット
ゴブレットスクワットはケトルベルを両手で胸の前に保持して、おこなうスクワット。重りが身体の前面にくることで重心の位置が前に来るため、通常のスクワットよりも背中の筋肉に負荷がかかります。脚のトレーニングとしておこなうのもおすすめですし、バックスクワットで上半が潰れがちな人がフォームの修正におこなうのにも役立ちます。
- 足幅は肩幅より少し広く、爪先は左右に30度程度外に開き立つ
- 両手でケトルベルのハンドル両脇を握り、胸の高さで保持
- お尻を後方へ引きながら自然にしゃがんでいく
- お尻が太腿よりも下にくるまでしゃがむ
- 力強く立ち上がる
ゾンビスクワット
ゾンビスクワットはバーベルを三角筋と鎖骨の間に乗せておこなうスクワット。フロントスクワットのキモはバーベルを三角筋のくぼみと鎖骨の間でバーベルを支えること。ゾンビスクワットは、この三角筋と鎖骨でバーベルを支える技術を養ううえで非常に優秀なエクササイズです。
- 三角筋のくぼみと鎖骨にバーベルを乗せ、腕は前方へ伸ばす
- 足を肩幅より若干広いくらいに広げ、爪先は30度前後外へ開く
- お尻を後方へ引きつつ、お尻が太腿よりも低い位置にくるようにしゃがむ
- 足裏全体で力強く地面を押す
- 3~4を繰り返す
ストラップフロントスクワット
ストラップフロントスクワットは三角筋と鎖骨にバーを乗せる感覚が養われた後に、おこなうべきエクササイズです。鎖骨や三角筋でバーを乗せる感覚はあるものの手首の柔軟性などにまだ不安があるときにおこなうのがおすすめです。
- ストラップをバーに巻き付ける
- 手にストラップを巻き付け握る
- 三角筋のくぼみと鎖骨にバーベルを乗せ、腕は前方へ伸ばす
- 足を肩幅より若干広いくらいに広げ、爪先は30度前後外へ開く
- お尻を後方へ引きつつ、お尻が太腿よりも低い位置にくるようにしゃがむ
- 足裏全体で力強く地面を押す
- 3~4を繰り返す
まとめ
フロントラックポジションはフロントスクワットはもちろん、オリンピックリフティングを習得するうえで欠かせない必須なテクニックです。どうしても正しいラックポジションがとれないという人はぜひ今回の記事を参考に修正してみてください。

