ベンチプレスの『アーチ』の効果|ベンチプレスの正しいフォーム・アーチをつくるメリットについて解説

パワーリフターはじめ、ベテランのトレーニング愛好家がベンチプレスで胸を高く上げた鮮やかな『アーチ』を組んでいるのを見たことはないでしょうか。トレーニング初心者で、あまりまだベンチプレスになれていない人などはそのアーチが一体何の意味があるのか理解できないかもしれません。一般的なトレーニングの教科書やトレーナーの資格取得のためのガイドブックなどでも、ベンチプレスのアーチについて詳しく解説されることはあまりないので、一般の人がベンチプレスのアーチについて知ることはよほどディープに筋トレにはまった人以外ではないかもしれません。

しかし、ベンチプレスのアーチは一見ただ胸を張っているだけにみしかし、ベンチプレスのアーチは一見ただ胸を張っているだけにみえるかもしれませんが、じつはベンチプレスのアーチは肩のケガのリスクを下げたり、より高重量を挙げやすくなるなどの嬉しい効果があります。

そこで、今回はベンチプレスの正しいフォーム・ベンチプレスでアーチを組むメリットについて解説していきます。

目次

ベンチプレスのやり方

バーベルベンチプレス(以下、ベンチプレス)は主に大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった上半身で押す動作に関わる筋肉を鍛えることができる多関節エクササイズ。以下でベンチプレスの基本的なフォームを紹介します。

ベンチプレスの実施方法
  1. ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
  2. バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
  3. ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
  4. 乳頭の位置にバーベルがくるように降ろす
  5. 力強く3の位置まで押しあげる
  6. 4~5を繰り返す

ベンチプレスのアーチってなに?どんな効果があるの?

ベンチプレスにおける『アーチ』とは、ベンチ台に寝た状態で両肩と臀部を支点として高く胸を張って背中とベンチ台の間に大きな空間をつくることです。

アーチをつくるメリット

ベンチプレスはアーチをつくらない「フラット」な状態でおこなうベンチプレスと、アーチをつくるベンチプレスがあります。あえてベンチプレスでアーチをつくるメリットを2つ紹介します。

  • 挙上重量が向上する
  • 肩のケガのリスク低下

挙上重量が向上する

ベンチプレスでアーチをつくることでフラットな状態でおこなうのに比べて『高重量が挙げらる』ようになります。アーチを組むと、フラットでおこなうよりもバーの移動距離が短くなるため、仕事量が減少し

「アーチをつくらずにベンチプレスをおこなうグループ」と「アーチを組んでベンチプレスをするグループ」で①最大挙上重量②平均挙上スピード③筋肉の活動量にどのような違いがあるか調べた研究によれば以下のような結果になりました。

  • アーチありの方が「高重量」を挙げられる
  • スピードはアーチを組まない方が速い
  • パワーに差はない
  • 筋肉の活動量に差はほとんどない

このことから筋力を高めたいのであればアーチを組んだベンチプレスをおこなうべきであるということができます。

肩のケガのリスク低下

ベンチプレス実施時にアーチを組むことで、アーチをつくらないときに比べて肩関節にかかる負荷を軽減することで肩への負担を減らすことができます。

アーチを組むとき、胸を高く上方向へ突き上げます。すると、バーベルが胸につくまでのバーの移動距離が短くなることで同時に肩関節の屈曲は小さくなり、結果的に肩関節への負荷が軽くなるということです。

ベンチプレスでアーチを組むときのポイント

ベンチプレスにおけるアーチを組むときにおさえておくべきポイントについてまとめました。

ベンチプレスでアーチを組むときのポイント
  • 足の位置を『膝の真下』もしくは『膝よりも少しお尻側』におく
    足裏全体でどっしりと床をとらえられる位置に足をおきましょう。
  • 肩甲骨を『降ろして・寄せる』
    肩甲骨を寄せることは言及されますが、あまり意識されないのが肩甲骨を降ろす感覚。肩甲骨は寄せるだけではなく、降ろすことでよりアーチが安定します。
  • 胸を突き上げる
    ベンチプレスにおけるアーチは腰を反らすのではなく、みぞおち付近を起点にして胸を高くつき上げるようにしてアーチを高く組みましょう。
  • 動作中は足で床を力強く押す
    肩でしっかりとベンチを固定することができたら、足で床を力強く押すようにすることで、体が圧縮されアーチを高く組みやすくなります。
  • お尻は浮かないようにする
    ベンチプレスでより高くアーチを組もうとすると、ついお尻を浮かせたくなってしまいます。しかしお尻を浮かせると可動域が狭くなりすぎて筋肥大効果が低下したり、毎回のトレーニングで可動域が定まらずトレーニングに一貫性が出なくなってしまいます。

アーチが高く組めない人がやるべきエクササイズ

胸椎の可動性に制限がある場合、いくら頑張ってアーチを組もうと思っても高いアーチは組めません。そのような場合はベンチプレス前にウォーミングアップで胸椎伸展可動域を広げるモビリティエクササイズをおこなっておくのがおすすめです。

アーチが高く組めない人がやるべきエクササイズ
  • アッパーバックエクステンション
  • キャット&ドッグ

アッパーバックエクステンション

アッパーバックエクステンションはフォームローラーやストレッチポールを活用しておこなう胸椎伸展可動域を出すためのエクササイズ。これをおこなうことでアーチをより高く組みやすくなります。

アッパーバックエクステンションのやり方
  1. ストレッチポールを床に置く
  2. 肩甲骨の下角がストレッチポールにあたるように仰向けで寝る
  3. ストレッチポールを軸に背中を反らす
  4. ストレッチポールを軸に背中を丸める
  5. 3~4を繰り返す

キャット&ドッグ

キャット&ドッグは胸椎はもちろん背骨全体を骨盤とともに動かすエクササイズで、こちらも背中のアーチを高くする効果などが期待できます。

キャットアンドドッグのやり方
  1. 四つん這いになる
  2. 臍を見るように背中を丸める
  3. 天を仰ぎ見るように顔を上げながら腰を反らす
  4. 2~3 を繰り返す

胸椎のエクササイズにおすすめアイテム2選

胸椎の可動性を高めるエクササイズは道具が無くてもできるものもありますが、少しでも効果を高めたいという人におすすめしたいアイテムが2つあります。

  1. ヨガマット
  2. フォームローラー

まず優先して購入しておきたいのがヨガマット。

胸椎の可動性を高めるエクササイズをはじめ、自宅でできるエクササイズの多くが寝る・座る・片膝立ちの3つの姿勢でおこなわれます。直接床でできなくもないですが、とくに膝をつくエクササイズなどはフローリングだと膝が痛くなってエクササイズに集中できないといった問題があるので、とりあえず何か購入するのであれば、まずはヨガマットを購入するところから始めてはいかがでしょうか。

次に購入したいのがフォームローラー。

先に紹介したエクササイズにあった『アッパーバックエクステンション』や、エクササイズ前におこなうフォームローラーで筋肉をほぐすなどに活用でき、自宅でのコンディショニングの幅が一気に広がるので、ストレッチやモビリティエクササイズの選択肢を広げていきたい人におすすめの商品です。

まとめ

ベンチプレスにおけるアーチは、ベンチプレスによるケガ予防やパフォーマンス向上にとって非常に有効な手段です。ベンチプレスにおいてケガで悩んでいる方や、伸び悩んでいる方はぜひ今回の記事を参考にしてベンチプレスのアーチを見直してみてください。

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