胸椎の可動性を高めておくことは、ベンチプレスはじめエクササイズや日常動作で肩関節や腰に対する負担を軽減してくれる効果が期待できます。
そこで今回の記事では胸椎の可動性を高めるエクササイズ・揃えておくと効果的なケアグッズについて解説していきます。

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長
宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。
胸椎のつくり

胸椎とは、背骨の中で首の骨(頸椎)と腰の骨(腰椎)の間にある、胸の裏側に位置する骨のこと。12個の骨でできており、肋骨と連結しており呼吸や肺・心臓といった内臓の保護にも役立ちます。
胸椎の可動性を高めるメリット
胸椎の可動性を高めておくことのメリットは大きくこの3つ。
- 姿勢改善
- 肩・腰の痛みの軽減
- 運動パフォーマンスの向上
姿勢改善
首が通常よりも前方にある状態である「スマホ首」や、過度に背中が丸まった状態にある「猫背」。胸椎の可動性を高めておくことで、背中が過度に丸くなりにくくなり、正しい姿勢を維持しやすくなります。また、併せて大胸筋のストレッチをおこなうことで、肩を内旋(肩を内側に巻き込むような動き)しにくくしてくれるなど、相乗効果が期待できます。
肩・腰の痛みの軽減
胸椎の動きが悪いと、その付近にある腰椎や肩関節で胸椎の動きの悪さをカバーして、本来あるべき可動域を超えて動こうとすることで、腰椎や肩関節に大きな負担がかかり痛みを生じさせることになる場合もあります。
特にトレーニングでは日常よりも大きな負担がかかるため、胸椎の可動性を高めてそのほかの関節にかかる不要な負担を軽減することがケガ予防につながります。
高重量のベンチプレスなどをおこなう前にウォーミングアップで可動性を高めるようなエクササイズをおこなってから、トレーニングすることでより安全にトレーニングすることができます。
運動パフォーマンスの向上
胸椎の可動性を高めておくことで、テニス・ゴルフ・野球などのスウィングのような、胸椎をダイナミックにつかう競技はもちろん、ボールを投げる動作や、ボクシングのパンチ、柔道の投げなど様々なスポーツにおけるパフォーマンスを高める効果が期待できます。
胸椎の可動性を高めるエクササイズ
正しい姿勢でエクササイズをおこなうためには、筋力を高めるだけでなく胸椎の可動性を高めておく必要があります。
ここでは、胸椎の可動性を高める効果の高いエクササイズを4つ厳選して紹介していきます。
- アッパーバックエクステンション
- キャット&ドッグ
- オープンブック
- ハーフニーリングソラシックローテーション
アッパーバックエクステンション
アッパーバックエクステンションはフォームローラーやストレッチポールを活用しておこなう胸椎伸展可動域を出すためのエクササイズ。これをおこなうことでアーチをより高く組みやすくなります。
- ストレッチポールを床に置く
- 肩甲骨の下角がストレッチポールにあたるように仰向けで寝る
- ストレッチポールを軸に背中を反らす
- ストレッチポールを軸に背中を丸める
- 3~4を繰り返す
キャット&ドッグ
キャット&ドッグは胸椎はもちろん背骨全体を骨盤とともに動かすエクササイズで、こちらも背中のアーチを高くする効果などが期待できます。
- 四つん這いになる
- 臍を見るように背中を丸める
- 天を仰ぎ見るように顔を上げながら腰を反らす
- 2~3 を繰り返す
オープンブック
オープンブックは胸椎の回旋(胸椎を中心に捻る動作)可動域向上が期待できるエクササイズ。胸椎の回旋のしやすさに左右で差が大きいとベンチプレスの下降局面で、片方だけ深く降ろせず肩にいびつな負荷がかかる可能性があります。そこでオープンブックをウォーミングアップでおこなうことで胸椎のねじれやすさの左右差を改善することができます。
- 横向きで寝る
- 膝を90度に曲げて、膝が股関節の前にくるようにする
- 下側の手で膝を上から抑える
- 上の手・腕を前に伸ばしたところから反対へ胸を開くように動く
- 元の姿勢まで戻る
- 4~5を繰り返す
ハーフニーリングソラシックローテーション
ハーフニーリングソラシックローテーションは、片膝立ちでおこなう胸椎回旋エクササイズのひとつ。寝た状態でおこなう胸椎回旋エクササイズよりも、より日常生活や競技動作につなげていきやすい姿勢でおこなうエクササイズになります。
- 片膝立ちで立つ
- 両手を前ならえの姿勢にする
- 前脚側の腕を伸ばしたまま身体を捻り後方へ(目線は常に動かす側の指先を見る)
- 2の姿勢に戻る
- 2~4を繰り返す
胸椎のエクササイズにおすすめアイテム2選
胸椎の可動性を高めるエクササイズは道具が無くてもできるものもありますが、少しでも効果を高めたいという人におすすめしたいアイテムが2つあります。
- ヨガマット
- フォームローラー
まず優先して購入しておきたいのがヨガマット。
胸椎の可動性を高めるエクササイズをはじめ、自宅でできるエクササイズの多くが寝る・座る・片膝立ちの3つの姿勢でおこなわれます。直接床でできなくもないですが、とくに膝をつくエクササイズなどはフローリングだと膝が痛くなってエクササイズに集中できないといった問題があるので、とりあえず何か購入するのであれば、まずはヨガマットを購入するところから始めてはいかがでしょうか。
次に購入したいのがフォームローラー。
先に紹介したエクササイズにあった『アッパーバックエクステンション』や、エクササイズ前におこなうフォームローラーで筋肉をほぐすなどに活用でき、自宅でのコンディショニングの幅が一気に広がるので、ストレッチやモビリティエクササイズの選択肢を広げていきたい人におすすめの商品です。
まとめ
筋トレの方法などに注目が集まりがちですが、じつはそれと同じかそれ以上に大事なのが『可動性』。そして中でも胸椎は下半身・上半身どちらのエクササイズでも重要な役割を果たしてくれる部位です。
ベンチプレスで肩が痛くなりやすかったり、アーチがうまく組めない人。デッドリフトで胸を張れず背中が丸まりやすい人などは、ぜひ今回の記事を参考にして普段のトレーニングに胸椎のモビリティエクササイズをとりいれてみてください。

