バックスクワットはトレーニング効果の高さから、数あるトレーニングの中でもデッドリフトやベンチプレスと合わせて『BIG3』と呼ばれ、特にバックスクワットは『トレーニングの王様』と呼ばれることもあります。
一方でフォームの難易度が高くフォームが難しい・腰や膝が痛くなるといったお悩みを抱えている人が多い種目でもあります。
そこで本記事では筋トレの王様『ハイバーバックスクワット』の正しいフォーム・メリット・おすすめの回数やセット数まで徹底的に解説していきたいと思います。

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長
宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。
ハイバーバックスクワットの正しいやり方
ハイバーバックスクワットは主に大腿四頭筋(太ももの前)・大殿筋が鍛えられるエクササイズ。ジャンプ力や走力の向上にも役立つ重要な多関節エクササイズのひとつ。
担ぐ位置によって効果が変わるスクワットですが、今回は最も基本的なスクワットであるハイパーバックスクワットについて紹介します。
- バーベルを肩に乗せる
- 足を肩幅くらいに広げて爪先を外に30度ほど開いた状態で立つ
- お尻を後方へ椅子へ座るイメージで突き出しながらしゃがむ
- お尻が膝よりも下にくるまでしゃがむ
- 力強く両脚で立ち上がる
- 2~5を繰り返す
ハイバーバックスクワットのおすすめな回数・セット数
バックスクワットでおすすめな回数とセット数は
- 筋肥大目的:8~10回×3セット~
- 最大筋力向上:1~5回×5セット~
- 初心者:8回×3セット~
目的に応じて上記の挙上回数・セット数を参考にプログラムを組んでみてください。
特に初心者でまだフォームが安定しない人は、記載した8回でセットを組むのがおすすめです。
初心者のうちはまだフォームが安定せず、ある程度の反復回数練習として動いてみることが重要です。一方で姿勢を正しく動作するのはかなりの集中力を要するため、あまり高回数で長時間動くのは動作の質が低下してしまう恐れがあるため、8回が動作の質を担保しつつ、反復回数もそこそこ稼ぐ意味で効果的です。
ハイバーバックスクワット中の呼吸
高重量を背中で支える必要のあるバックスクワットでは、呼吸によって腹圧を高めることは体幹の剛性を高めるうえで非常に重要になってきます。
バックスクワットはじめ、トレーニングでおこなうべき呼吸は大きく2つ。
- 基本の呼吸(しゃがむ局面で息を吸い込み、立ち上がる局面で息を吐く)
- バルサルバ法(バーベルを担ぎしゃがむ前に息を吸い込み、息を止めて体幹を固めた状態で動作する)
とくに体に怪我がなく、高重量を挙げたい方はバルサルバ法でしっかりと腹圧を高められるようにしましょう。一方でヘルニアや高血圧などの腹圧が高まることで症状が悪化する可能性がある方は基本の呼吸で動作するようにしましょう。
ハイバーバックスクワットをするメリット

ハイバーバックスクワットはデッドリフトと並んで、下半身のエクササイズのなかでは高重量が挙げられる優れたエクササイズのひとつ。ここではバックスクワットをトレーニングプログラムに定期的に取り入れるメリットについて紹介します。
- 下半身の筋肥大効果
- 下半身の最大筋力向上
- 競技力向上
下半身の筋肥大効果
ハイバーバックスクワットでは主に大腿四頭筋や大殿筋といった下半身の大きな筋肉はもちろん、脊柱起立筋や腹筋群など姿勢保持に関わる体幹の筋肉も併せて鍛えることが可能です。
これらを単関節のエクササイズでそれぞれ鍛えるとなると、大腿四頭筋はレッグエクステンションで鍛えて、大殿筋はヒップスラストで…と各部位ごとに複数種目おこなわなければならなくなり、非常に時間効率が悪くなります。
ハイバーバックスクワットであれば、高重量で一度に多くの全身の筋肉を鍛えることができるため非常に効率的に筋肉をつけることができます。
下半身の最大筋力向上
ハイバーバックスクワットの最大のメリットは多くの筋肉を動員して高重量が挙げられるという点。
最大筋力を高めるためにはハイバーバックスクワットのような高重量が扱える多関節エクササイズで神経系の適応を図っていかなければいけません。そのてん、ハイバーバックスクワットは下半身の中でも特に大きな大殿筋・大腿四頭筋を動員することができ、デッドリフトと並んで高重量を挙げやすいエクササイズであることから、バックスクワットは最大筋力の向上に最適な種目であるといえます。
競技力向上
筋肉をつけるだけでなく競技力を高めるためにトレーニングをおこなう場合、ただ筋肉を限界に追い込むだけでは不十分で、むしろそれだけでは競技力を低下させることにもつながりかねません。競技力を高めるためのトレーニングで重要なのが筋力や爆発的なパワー発揮ができる筋肉にしていくこと。
ハイバーバックスクワットは多くの筋肉や関節を連動させて運動する多関節エクササイズで、高重量を挙げることが可能で、競技に必要な筋力を高めるためにも効果的。
さらにバックスクワットを正しいフォームで安定してできるようになればジャンプスクワットのようなパワーを向上させるエクササイズにもつなげていけるので、ハイバーバックスクワットは競技力を高めるためのトレーニングにも適しています。
ハイバーバックスクワットを安全・効果的にするポイント

バックスクワットはデッドリフト・ベンチプレスと並びBIG3のひとつであり、筋トレの王様としても知られる絵乳母らしいエクササイズです。一方で誤った方法でトレーニングすると場合によっては大怪我にもつながりかねないエクササイズでもあるため、きちんとバックスクワットを安全かつ効果的におこなうためのポイントをしっておきましょう。
- セーフティバーを適切な高さに設定
- 正しい動作ができる重量や回数でおこなう
セーフティバーを適切な高さに設定
ハイバーバックスクワットは限界までチャレンジすると、場合によっては挙げきれずに重量に負けて潰れてしまうことが少なからずあります。
このときに、セーフティバーが適切な高さに設定されていないと、潰れたときに膝や腰を痛めたり、セーフティバーの位置が極端に低すぎたり、そもそもきちんと設定されていないと最悪の場合には転倒してしまうリスクもはらんでいます。
セーフティバーの高さは目標とする深さまでしゃがんだときに、バーがセーフティバーにぎりぎりつかないくらいの高さに設定するようにしましょう。
正しい動作ができる重量や回数でおこなう
ハイバーバックスクワットは高重量が挙げやすく、ときに挙上重量で他人と競って限界かもしくはそれ以上の限界を超えた重量でトレーニングしてしまうことがあります。自分の限界近い重量で無理にトレーニングするとフォームが崩れて、場合によってはケガをする場合があります。
基本的にはどんなときでもフォームが第一優先でトレーニングするようにして、安全な状態でトレーニングするようにしましょう。
もし、セット序盤は姿勢が維持できるけれど、後半の疲労が溜まってきたときにだんだん姿勢が崩れてくるのを防ぎたい場合にはリフティングベルトなどを活用することも検討するといいでしょう。
スクワットのバリエーション
スクワットといえばハイバーバックスクワットを指すことが多いですが、スクワットには他にも様々なバリエーションがあります。ここではハイバーバックスクワット以外のスクワットのバリエーション種目を紹介していきます。
スクワットのバリエーションは多くあり、それぞれフォームが違うのはもちろん得られる効果もそれぞれ異なってくるので、目的や体の状態に合わせて最適なスクワットを選択してより効果的なトレーニングができるようにしていきましょう。
- ローバーバックスクワット
- フロントスクワット
- ゴブレットスクワット
ローバーバックスクワット
ローバーバックスクワットは、ハイバーバックスクワットよりもバーを担ぐ位置を低く(三角筋後部と僧帽筋上部の間くらい)ことで、重心がハイバーバックスクワットよりも後方へ来ることで上半身の前傾が強くなり、股関節にかかるトルクが大きくなることでハイバーバックスクワットやフロントスクワットよりも大殿筋にかかる負荷が最も大きくなるスクワット。
- 三角筋後部と僧帽筋上部の間にバーを担ぐ
- 足を肩幅より若干広いくらいに広げ、爪先は30度前後外へ開く
- お尻を後方へ引きつつ、お尻が太腿よりも低い位置にくるようにしゃがむ
- 足裏全体で力強く地面を押す
- 3~4を繰り返す
フロントスクワット
バックスクワットが肩の上にバーを担ぐのに対して、フロントスクワットはバーを鎖骨の上に担いでおこなうスクワット。バーが体の前面にくることでバックスクワットよりも上半身がより直立に近い状態になるので、腰への負担を軽減しつつ、一方で膝関節の屈曲が強くなるので大腿四頭筋へかかる負荷がより大きくなるといった特徴があります。大腿四頭筋を鍛えたい人はもちろん、クリーンなどを導入したいと考えている人はフロントスクワットを必ずプログラムに入れるようにしましょう。
- 三角筋のくぼみと鎖骨にバーベルを乗せ、掌を上に向けて指先でバーを喉に押しつけ支える。このとき肘は真正面に向くようにする。
- 足を肩幅より若干広いくらいに広げ、爪先は30度前後外へ開く
- お尻を後方へ引きつつ、お尻が太腿よりも低い位置にくるようにしゃがむ
- 足裏全体で力強く地面を押す
- 3~4を繰り返す
ゴブレットスクワット
ゴブレットスクワットはケトルベルを両手で胸の前に保持して、おこなうスクワット。重りが身体の前面にくることで重心の位置が前に来るため、通常のスクワットよりも背中の筋肉に負荷がかかります。脚のトレーニングとしておこなうのもおすすめですし、バックスクワットで上半が潰れがちな人がフォームの修正におこなうのにも役立ちます。
- 足幅は肩幅より少し広く、爪先は左右に30度程度外に開き立つ
- 両手でケトルベルのハンドル両脇を握り、胸の高さで保持
- お尻を後方へ引きながら自然にしゃがんでいく
- お尻が太腿よりも下にくるまでしゃがむ
- 力強く立ち上がる
バックスクワットでよくある質問
ここではバックスクワットについてよくある質問について回答します。
- スクワットをすると腰が痛くなるのですが対策はありませんか?
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スクワットで腰が痛くなるのは、ほとんどが深くしゃがんだ時に骨盤が後傾していることが原因です。そして、ボトムポジションで骨盤が後傾しないようにするためにはハムストリングスや大殿筋などの股間節伸展筋群をストレッチで柔軟性を高めることが重要です。
それでも高重量になったときに腰に不安がある場合はリフティングベルトを活用するのもおすすめです。 - 足首が硬くて深くしゃがむと前傾が強くなりすぎるのですが対策はありますか?
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足首の可動域を高めるようなエクササイズをとりいれて、可動域を改善することが重要です。しかし、一方で可動域の改善には長期間かけて取り組まなければいけないので短期的に改善したいのであれば、リフティングシューズ(ウエイトリフティングなどで用いられるシューズ。踵が通常のシューズよりも高くなっており足首の可動域を補ってくれます。)を使用するのもおすすめです。
まとめ
今回の記事ではバックスクワットの正しいやり方や、バックスクワットをやることで得られるメリットについて解説してきました。バックスクワットをやるとケガをしたり、そもそも効果を実感できないという悪いイメージがある方もぜひ今回の記事を参考にして、再度プログラムに取り入れてみてください。

