「ベンチプレスをやると肩が痛くなる」
「ベンチプレスでアーチが低いと指摘されるがどうしていいかわからない」
ベンチプレスに本気でとりくんでいる人の中には、このような悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事ではベンチプレスで高重量を挙げやすくなる&ケガのリスクを下げるうえで、ベンチプレスの前にやっておきたいウォーミングアップにおすすめなエクササイズを紹介していきます。
ウォーミングアップの目的

筋トレにおけるウォーミングアップの主な目的は「ケガのリスク低減とトレーニング効果を高める」ことです。
ウォーミングアップをすることで筋肉の粘弾性が低下し、筋肉が柔らかくなることで可動性が高まり、正しいフォームで動けるようになりケガのリスクが下がります。また、筋肉は可動域を大きくした方が筋肥大効果が高いことがあきらかになっていることからも、ウォーミングアップを十分おこない、動きやすい状態をつくるといったことがケガのリスクを下げつつもパフォーマンスを高めることにつながります。
ベンチプレスをやるうえで大切な部位
ベンチプレスは上半身にある筋肉を鍛える多関節種目の代表。
そのベンチプレスをするうえで関わってくる骨・関節・筋肉は以下の通り。
骨・関節
- 胸椎
- 肩関節
- 肘関節
筋肉
- 上腕三頭筋
- 三角筋
- 大胸筋
ウォーミングアップではこれらの骨・関節・筋肉を動かして、関節の動きを滑らかにしつつ筋温を挙げることで、筋肉も柔軟に力強く動ける状態に準備していきます。
ウォーミングアップでおこなうエクササイズの種類
ウォーミングアップでおこなうエクササイズの種類には大きく3つあります。
- 筋肉の柔軟性向上→ストレッチ
- 関節の動きを良くする→モビリティエクササイズ
- 動きの確認と使う筋肉の筋温を上げる→軽重量でエクササイズの動作確認、軽重量でのエクササイズでインナーマッスルに刺激を入れる
ウォーミングアップでは「関節の動きを良くする」「筋肉を柔らかくしておく」「正しい動きの確認」が重要です。上手にプログラムに取り入れて、より安全で効果的なベンチプレスができるようにしていきましょう。
ベンチプレス前のウォーミングアップにおすすめなエクササイズ5選
それでは早速、ベンチプレス前にやっておきたいウォーミングアップにおすすめなエクササイズを厳選して5つ紹介していきます。また、今回紹介するエクササイズはあくまでも一例です。ご自身の感じている課題などに合わせてウォーミングアップでおこなうエクササイズを選択していきましょう。
- アッパーバックエクステンション
- キャット&ドッグ
- オープンブック
- IYTエクササイズ
- インターナルローテーション
アッパーバックエクステンション
アッパーバックエクステンションはフォームローラーやストレッチポールを活用しておこなう胸椎伸展可動域を出すためのエクササイズ。これをおこなうことでアーチをより高く組みやすくなります。
- ストレッチポールを床に置く
- 肩甲骨の下角がストレッチポールにあたるように仰向けで寝る
- ストレッチポールを軸に背中を反らす
- ストレッチポールを軸に背中を丸める
- 3~4を繰り返す
キャット&ドッグ
キャット&ドッグは胸椎はもちろん背骨全体を骨盤とともに動かすエクササイズで、こちらも背中のアーチを高くする効果などが期待できます。
- 四つん這いになる
- 臍を見るように背中を丸める
- 天を仰ぎ見るように顔を上げながら腰を反らす
- 2~3 を繰り返す
オープンブック
オープンブックは胸椎の回旋(胸椎を中心に捻る動作)可動域向上が期待できるエクササイズ。胸椎の回旋のしやすさに左右で差が大きいとベンチプレスの下降局面で、片方だけ深く降ろせず肩にいびつな負荷がかかる可能性があります。そこでオープンブックをウォーミングアップでおこなうことで胸椎のねじれやすさの左右差を改善することができます。
- 横向きで寝る
- 膝を90度に曲げて、膝が股関節の前にくるようにする
- 下側の手で膝を上から抑える
- 上の手・腕を前に伸ばしたところから反対へ胸を開くように動く
- 元の姿勢まで戻る
- 4~5を繰り返す
IYTエクササイズ
IYTエクササイズは僧帽筋中部下部を鍛えられます。僧帽筋中部下部を鍛えることで、肩甲骨そしてその先の肩関節を安定させて、ベンチプレスに多い肩のケガのリスクを低下させてくれる効果が期待できます。
- 顔を床から若干浮かせた状態でうつ伏せで寝る
- 両腕を耳の横から頭上方向に伸ばす
- 2の姿勢で床から腕をできる限り高く浮かせる
- 両腕を2の姿勢から30度開いた姿勢になる
- 4の姿勢で床から腕をできる限り高く浮かせる
- 両腕を4の姿勢から両肩の真横に伸びるようにする
- 6の姿勢で床から両腕をできる限り高く浮かせる
- 2~7を繰り返す
インターナルローテーション
インターナルローテーションは肩関節の安定に関わるインナーマッスル「肩甲下筋」を鍛えることができるエクササイズ。
- 柱やドアノブにトレーニングチューブを肘の高さで固定
- 柱の横に立ち、柱側の手でチューブを握る
- チューブを持つ方の肘を90度に曲げ、脇腹にピッタリつける
- 脇を締めたまま、肘を支点にしてチューブを体の内側へ引っ張る
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 3~5を繰り返す
エクスターナルローテーション
エクスターナルローテーションは主に棘下筋を鍛えることができるエクササイズ。棘下筋は肩関節の安定性に関わる筋肉であるため、ベンチプレスに多い肩のケガの予防をすることができます。
- 柱やドアノブにトレーニングチューブを肘の高さで固定
- 柱の横に立ち、柱と反対側の手でチューブをを握る
- チューブを持つ方の肘を90度に曲げ、脇腹にピッタリつける
- 脇を締めたまま、肘を支点にしてチューブを体の外側へ引っ張る
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 3~5を繰り返す
最後はベンチプレスでウォーミングアップ
胸椎や肩の関節・筋肉を動かして、体温が上昇し筋肉が滑らかに動くようになってきたら最後はベンチプレスを軽重量から挙げ始めて、徐々に本番のセットに重量を近づけていくようにしていきましょう。この時のポイントは、軽い重量だからといって適当にではなくきちんと正しいフォームを意識して丁寧で綺麗な軌道で動かすことです。
ここで正しいベンチプレスの動作について確認しておきましょう。
バーベルベンチプレス(以下、ベンチプレス)は主に大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった上半身で押す動作に関わる筋肉を鍛えることができる多関節エクササイズ。以下でベンチプレスの基本的なフォームを紹介します。
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 乳頭の位置にバーベルがくるように降ろす
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
ベンチプレスはスクワットなどに比べると動作がシンプルで一見すると、ただ寝てバーを押しているだけに見えなくもありません。しかし、実際には5ポイントコンタクトや胸椎のアーチなど気にするべき部分はいくつもある奥の深い種目です。ウォーミングアップを「ただ軽い重量で体を温める時間」ととらえるのではなく、「軽い重量でおこなうフォームチェックと本番に向けた準備」と考えて集中して取り組んでみてください。
まとめ
今回はベンチプレスの前にやっておきたいウォーミングアップについて解説してきました。ベンチプレスは肩・肘・手首の怪我が多いエクササイズです。ケガが多いからこそ、トレーニングの前にはウォーミングアップを入念におこなってケガを予防して、楽しくベンチプレスの記録を伸ばしていきましょう。

