高重量で上腕三頭筋を鍛えられる『ナローグリップ(クローズグリップ)ベンチプレス』のフォーム・効果について解説

一般的にベンチプレスは大胸筋のトレーニング種目と知られています。しかし、手幅を変えることで大胸筋ではなく上腕三頭筋(いわゆる二の腕)をメインに鍛えることができる種目に早変わりします。

今回紹介するベンチプレスのバリエーション種目『ナローグリップ(クローズグリップ)ベンチプレス』は通常のベンチプレスよりも手幅を狭くしておこなうベンチプレスの一種で、大胸筋だけではなく上腕三頭筋に強い刺激を与えることができるエクササイズです。

今回はナローグリップベンチプレスのフォーム・効果について徹底的に解説していきます。上腕三頭筋を鍛える種目のバリエーションを増やしたい人や、ベンチプレスで上腕三頭筋の筋力に課題を感じている人にとって非常におすすめなので、本記事を参考にしてとりいれてみてください。

筆者情報

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長

宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。

目次

ナローグリップベンチプレスのフォーム

ナローグリップベンチプレスの実施方法
  1. ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
  2. バーベルを肩幅で握る
  3. ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
  4. みぞおちの付近にバーベルがくるように降ろす
  5. 力強く3の位置まで押しあげる
  6. 4~5を繰り返す

ナローグリップベンチプレスはベンチプレスのなかでも主に上腕三頭筋を中心に鍛えることができる多関節エクササイズ。ベンチプレスで上腕三頭筋を強化する必要性を感じている人に特におすすめのエクササイズ。

ナローグリップベンチプレスのセット数・レップ数

ナローグリップベンチプレスは通常のベンチプレスよりも高重量が挙げられないため、5回やそれ以下の低レップで高重量を挙げるのには適していません。主に8回~10回ほどの中重量・中レップで筋力も高めつつ筋肥大効果を得やすいセット数・レップ数に設定するのがおすすめです。

ナローグリップベンチプレスで鍛えられる筋肉

ナローグリップベンチプレスでは、大胸筋はもちろん特に上腕三頭筋を重点的に鍛えることができます。

ナローグリップベンチプレスで鍛えられる主な3つの筋肉
  • 大胸筋
  • 三角筋
  • 上腕三頭筋

大胸筋

大胸筋の解剖イラスト

大胸筋は胸を覆う大きな筋肉。腕を前に押し出す動作や、腕を閉じる動作で使われます。体の前方に位置しているため、上半身の印象を決める大事な筋肉のひとつ。

起始・停止起始:鎖骨の内側前方1/2、第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分
停止:上腕骨の大結節稜
作用肩関節の屈曲
肩関節の内旋
肩関節の内転
肩関節の伸展

三角筋

三角筋の解剖イラスト

三角筋は鎖骨や肩の先や肩甲骨から上腕骨につく、文字通り三角形のような形をする筋肉。
肩関節を覆うようにつくことで肩関節の保護や、屈曲・外転・伸展といった働きをします。

起始・停止起始:鎖骨外側1/3・肩峰・肩甲棘
停止:上腕骨の三角筋粗面
作用前部: 肩の屈曲、水平内転、内旋
中部: 肩の外転(腕を真横に上げる)
後部: 肩の伸展、水平外転、外旋

上腕三頭筋

上腕三頭筋の解剖イラスト

上腕三頭筋はいわゆる「二の腕」の筋肉で、じつは力こぶと呼ばれる上腕二頭筋よりも体積が大きく、腕を太くしたいなら上腕二頭筋はもちろんですが併せて上腕三頭筋を鍛える必要があります。

起始・停止起始:肩甲骨関節下結節、上腕骨近位の後外面、上腕骨中部の後内面
停止:肘頭
作用肘関節の伸展
肩関節の伸展
肩関節の内旋

ナローグリップベンチプレスのよくある間違い

ナローグリップベンチプレスをはじめ、多くのベンチプレスのバリエーション種目は誤った方法でおこなうと肩や肘を痛めるリスクの高いエクササイズでもあります。そこで、ナローグリップベンチプレスのよくある間違いについてまとめました。ナローグリップベンチプレスになれていない人はぜひ参考にしてみてください。

ナローグリップベンチプレスのよくある間違い
  • 手幅が広すぎる
  • 肘が外に開いている
  • 重すぎる

手幅が広すぎる

ナローグリップベンチプレスは手幅が通常のベンチプレスよりも狭い『肩幅と同じ程度の手幅』でおこなうことで大胸筋の活動が小さくなり上腕三頭筋の活動が大きくなるエクササイズです。手幅の設定を間違えてしまうと、本来鍛えたい上腕三頭筋ではなく、通常のベンチプレスと同じく大胸筋がメインで鍛えられてしまいます。

ナローグリップベンチプレスの手幅は『肩幅と同じ手幅かそれよりも狭い手幅』というのを覚えておきましょう。

肘が外に開いている

ナローグリップベンチプレスをおこなうときは、なるべく肘は体から離れないように動作しましょう。ナローグリップベンチプレスの時に肘が外に開いてしまうと、肩や大胸筋にかかる負担がベンチプレスと同じようになってしまいナローグリップベンチプレスの意味がなくなってしまうので、手幅だけではなく肘の開きにも注意を向けるようにしましょう。

重すぎる

ベンチプレスというエクササイズは多くの人がプライドを持っているエクササイズでもあり、重量へのこだわりを持っているのではないでしょうか。しかし、ナローグリップベンチプレスで無理な高重量を挙げようとすると肩のケガのリスクが高くなったり、上腕三頭筋ではなく大胸筋に負荷がいくようになってしまいます。

まずは軽めの余裕をもって完遂できる程度の重量に設定するようにしましょう。

ナローグリップベンチプレスのメリット

ベンチプレスの手幅の広さは好みや目的によって選択すればいいでしょう。そのなかで、あえてナローグリップベンチプレスという手幅が狭く、高重量が挙げにくいナローグリップベンチプレスを選択するメリットを紹介します。

ナローグリップベンチプレスのメリット
  • 上腕三頭筋を効果的に鍛えられる
  • 肩への負担が軽減される

上腕三頭筋を効果的に鍛えられる

手幅の狭いナローグリップベンチプレスは、通常のベンチプレスと比べて大胸筋ではなく上腕三頭筋に大きく負荷がかかるエクササイズです。ベンチプレスでボトムの切り替えしが弱く上腕三頭筋の強化の必要性を感じている人はベンチプレスと併せてナローグリップベンチプレスもとりいれるといいでしょう。

肩への負担が軽減される

ベンチプレスのグリップ幅の違いがベンチプレスのパフォーマンスに与える影響について調べた研究によれば「ベンチプレスの手幅が肩峰の1.5倍を超えると方の怪我のリスクが高まる」としており、さらに「怪我のリスクは無視してベンチプレスで重量を扱うといったパフォーマンスの面では手幅が肩峰から2.0倍の幅で最大になる」ということがあきらかにされています。

ナローグリップベンチプレスは基本は肩幅と同じ。もしくは、それよりも狭い手幅でおこなうため肩への負担はベンチプレスよりも軽減されます。

1週間に複数回のトレーニングをしている人は、毎回ベンチプレスで限界まで追い込んでいると肩関節にかかる負荷が大きすぎるので、週に1回はナローグリップベンチプレスに置き換えるか、もしくは1回はベンチプレスの強度を下げてナローグリップベンチプレスを追加しておこなうことで、肩のケガ予防を図るという使い方もおすすめです。

ナローグリップベンチプレスのよくある質問

ナローグリップベンチプレスに関するよくある質問をまとめました。

ナローグリップベンチプレスはトレーニングプログラムのどのタイミングでおこなうのがいいでしょうか

目的にもよりますが、全身トレーニングをするのであれば序盤にスクワットやデッドリフトのような姿勢の保持が難しい&ケガのリスクが高いエクササイズをおこないましょう。ナローグリップベンチプレスはスクワットなどのエクササイズを完了してから入れるのが理想的です。

ナローグリップベンチプレスはどんな効果が期待できますか?

上腕三頭筋の強化や、肩にかかる負担を軽減しつつベンチプレスの強化が期待できます。

ベンチプレスやダンベルベンチプレスをすると手首が痛いのですが何か対策はありますか?

ベンチプレスとダンベルベンチプレスの時に手首が痛む場合、バーベルやダンベルを押すときに手首が後ろに反り返っている可能性があります。グリップを見直して手首を起こす意識でバーを握っててみましょう。もしそれでも痛みがある場合はリストラップで手首を保護してみるのもおすすめです。

まとめ

今回の記事ではナローグリップベンチプレスについて解説しました。ナローグリップベンチプレスはベンチプレスよりも重量は挙げにくくなりますが、上腕三頭筋の強化や肩関節の負担を軽減しながらベンチプレスの動作を強化することが可能になります。ナローグリップベンチプレスを上手に活用して、ベンチプレスを長く継続して記録更新を目指していきましょう。

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