ベンチプレスはジムに通うトレーニング愛好家に非常に人気のエクササイズのひとつ。一方で、挙上重量の伸びが鈍化してしまい、思ったように記録が伸びていかないと頭を悩ませる人が多い種目でもあるベンチプレス。
最初はフォームを正しい形に修正したり、トレーニング頻度を高めるといった方法で記録が伸びるかもしれませんが、それも経験を重ねていくとだんだんとそれも効果が薄れてきてしまうことも。そんなときに、ぜひおこないたいのが『ベンチプレスのバリエーション種目』です。ベンチプレスと似たようなエクササイズではあるものの、得られる効果はわずかに違う。そんなバリエーション種目をおこなうことで刺激が変化し、これまで同じことを繰り返しているだけでは得られない効果が得られるようになります。
そこで、今回の記事ではベンチプレスのバリエーション種目について紹介していきます。

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長
宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。
ベンチプレスのバリエーション種目6選
ベンチプレスだけでは鍛えにくい、だけどベンチプレスの記録向上にとって効果的なバリエーション種目を紹介していきます。
- ナローグリップベンチプレス
- ワイドグリップベンチプレス
- スポットプレス
- テンポベンチプレス
- インクラインベンチプレス
- ダンベルベンチプレス
ナローグリップベンチプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルを肩幅で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- みぞおちの付近にバーベルがくるように降ろす
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
ナローグリップベンチプレスはベンチプレスのなかでも主に上腕三頭筋を中心に鍛えることができる多関節エクササイズ。ベンチプレスで上腕三頭筋を強化する必要性を感じている人に特におすすめのエクササイズ。
ワイドグリップベンチプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の2.0倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 乳頭の位置にバーベルがくるように降ろす
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
ワイドベンチプレスは通常のベンチプレスよりも、手幅を広く(通常のベンチプレスは手幅が肩幅の1.5倍なのに対して、ワイドグリップベンチプレスは肩幅のおよそ2.0倍の手幅でおこなう)することで、より大胸筋に対して負荷がかかります。大胸筋の発達をもっと加速したいと思っている人はぜひワイドグリップベンチプレスをおこないましょう。
スポットプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- バーベルを降ろし、胸の数センチ手前で一瞬止める
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
スポットプレスは、意図的にバーが胸につく手前でわずかな時間止めることで、伸張反射(筋肉が急激に伸ばされた後に、力強く筋肉が収縮する反射のこと)を抑制し、純粋な筋力で挙げることになるため筋力向上に有効。
テンポベンチプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 乳頭の位置にバーベルがくるように降ろす(3秒かけて)
- 胸についたところで2秒停止
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~6を繰り返す
テンポベンチプレスは、下降局面で3秒かけ、胸についたところで2秒止め、爆発的に挙げるように意図的にスピードをコントロールするトレーニング方法。筋肉の活動時間が増えることで筋肥大効果が高まったり、フォーム・軌道が改善されやすいエクササイズです。
インクラインベンチプレス
- ベンチ台の背もたれを30度に傾斜させる
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 鎖骨の位置にバーベルがくるように降ろす
- 力強く4の位置まで押しあげる
- 5~6を繰り返す
インクラインベンチプレスは通常のベンチプレスと違い、ベンチ台の背もたれの部分を斜めに傾斜させた状態で実施するベンチプレスのこと。主に大胸筋上部を集中して鍛えることができるエクササイズで、ベンチプレスやダンベルプレスと合わせて胸の形を綺麗に鍛えることができる優れたエクササイズのひとつです。
ダンベルベンチプレス
- 両手にダンベルを握る
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- ダンベルを胸の横に構える
- 肩の正面にダンベルがくるように押す
- ③の位置までダンベルを降ろす
- 4~5を繰り返す
ダンベルベンチプレスは主に大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった上半身で押す動作に関わる筋肉を鍛えることができる多関節エクササイズ。以下でダンベルベンチプレスの基本的なフォームを紹介します。
ベンチプレスのやり方
ここまで紹介してきたエクササイズはベンチプレスの動作が基本となってできています。先に紹介したエクササイズをやるのであれば、まず基本のベンチプレスの動作を学んでおきましょう。
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 乳頭の位置にバーベルがくるように降ろす
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
ベンチプレスはアスリートの競技力向上から、一般的なボディメイクまで幅広く活躍する効果的な上半身のエクササイズです。ただし、目的によって推奨される手幅が変わってくる場合があるので手幅やグリップについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ベンチプレスのバリエーション種目をおこなうべき理由
ベンチプレスの記録を伸ばすためにはベンチプレスをおこなうのが最重要であることは間違いありません。
しかし、ベンチプレスで弱点になっている部位を鍛えるためには他のエクササイズを選択する方が効率がいい場合もあります(上腕三頭筋が弱点なのに対してナローグリップベンチプレスをおこなうように)。さらにベンチプレスだけおこなうと毎回同じ関節に対して負担がかかってしまい、ケガのリスクを高めることにつながることも。似たような部位を鍛えるバリエーション種目でも、種目を変えることで負担のかかる関節が若干変わり、ケガのリスクを低下させてくれる効果が期待できるのです。
ベンチプレスのバリエーション種目をおこなうタイミング
ベンチプレスの重量を伸ばしたい人が、ベンチプレスのバリエーション種目をおこなうタイミングは
- 週に1~2回のトレーニング頻度ならベンチプレス後に併せておこなう
- 週に3回以上のトレーニング頻度なら1回はベンチプレスを外してバリエーション種目をする
このようにご自身のトレーニング頻度に応じて、ベンチプレスのバリエーション種目をおこなうようにしましょう。基本はベンチプレスを中心におこなって、バリエーション種目はベンチプレスの補強トレーニングとして考えるのがいいでしょう。
まとめ
ベンチプレスはシンプルなようで奥が深く、とても人気のエクササイズです。一方で、奥深さゆえに記録の伸び悩みで頭を抱えている人が多いエクササイズのひとつでもあります。記録の停滞を感じ始めている人は、ぜひ今回の記事で紹介しているベンチプレスのバリエーション種目をプログラムに取り入れてみてはいかがでしょうか。

