バーベルを用いたベンチプレスは、多くのトレーニーならびにパワーリフターをはじめとする多くのアスリートに非常に人気の高いエクササイズです。おそらく、上半身の筋肉を発達させたいと願っている人でベンチプレスをトレーニングプログラムに入れていないという人はほとんどいないのではないでしょうか。
特に熱心にベンチプレスに取り組んでいる人の間で目標にされるのが「ベンチプレス100㎏」。100㎏を挙げることが、ベンチプレスにおけるひとつの大きな壁になっています。しかし、ベンチプレスの挙上重量を伸ばしていきたい想いとは裏腹に、ベンチプレスは肩関節や肘関節にかかる負担が大きく、これらの関節の怪我をしやすいエクササイズでもあります。
「ベンチプレスで挙上重量を伸ばすならベンチプレスをやる」
これはもちろん大切なのですが、ベンチプレスのみで高ボリュームでトレーニングすると肩や肘をケガするリスクがあがってしまうというジレンマに陥ってしまいがちです。
そこで本記事ではベンチプレスの挙上重量を伸ばすためにおすすめな補助種目を紹介していきたいと思います。
ベンチプレス補助種目おすすめ8選
ベンチプレスだけでは鍛えにくい部分を補うためのエクササイズを8個厳選して紹介していきます。
- プッシュアップ
- ナロープッシュアップ
- ナローグリップベンチプレス
- ダンベルフロアプレス
- スポットプレス
- インクラインベンチプレス
- ダンベルベンチプレス
- インクラインダンベルプレス
プッシュアップ
- 脚を完全に伸ばしつつ両腕を伸ばし身体を支える
- 姿勢は頭部から踵まで一直線になるように
- 腕を曲げ床まで下りる
- 両手で床を押し身体を上げる
- 3~4を繰り返す
プッシュアップは大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった上半身の押す動作で使う筋肉を鍛えることができます。プッシュアップはダンベルベンチプレスやベンチプレスと違い、肩甲骨の動きが制限されず、肩甲骨につく前鋸筋と呼ばれる肩の安定性を担う筋肉を鍛えて肩のケガ予防ができます。
ナロープッシュアップ
- 脚を完全に伸ばしつつ両腕を伸ばし身体を支える
- 姿勢は頭部から踵まで一直線になるように
- 手幅は肩幅で肩の真下に手がつくようにする
- 腕を曲げ床まで下りる
- 両手で床を押し身体を上げる
- 4~5を繰り返す
ナロープッシュアップは腕立て伏せの一種ですが、大胸筋よりも上腕三頭筋を重点的に鍛えることができるエクササイズです。
ナローグリップベンチプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルを肩幅で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- みぞおちの付近にバーベルがくるように降ろす
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
ナローグリップベンチプレスはベンチプレスのなかでも主に上腕三頭筋を中心に鍛えることができる多関節エクササイズ。ベンチプレスで上腕三頭筋を強化する必要性を感じている人に特におすすめのエクササイズ。
ダンベルフロアプレス
- 両手にダンベルを握る
- 床に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- ダンベルを胸の横に構える
- 肩の正面にダンベルがくるように押す
- ③の位置までダンベルを降ろす
- 4~5を繰り返す
ダンベルフロアプレスは、基本的な動作はダンベルベンチプレスと同じですが、床で降ろせる深さが制限されることにより、大胸筋や肩にかかる負荷が小さくなりケガのリスクを下げられます。特に肩に不安のある方でベンチプレスのような上肢の押す動作のトレーニングは中断したくないというときに有効です。
スポットプレス
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- バーベルを降ろし、胸の数センチ手前で一瞬止める
- 力強く3の位置まで押しあげる
- 4~5を繰り返す
スポットプレスは、意図的にバーが胸につく手前でわずかな時間止めることで、伸張反射(筋肉が急激に伸ばされた後に、力強く筋肉が収縮する反射のこと)を抑制し、純粋な筋力で挙げることになるため筋力向上に有効。
インクラインベンチプレス
- ベンチ台の背もたれを30度に傾斜させる
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- バーベルをおよそ肩幅の1.5倍で握る
- ラックからバーベルを外して肩の正面に位置するように保持する
- 鎖骨の位置にバーベルがくるように降ろす
- 力強く4の位置まで押しあげる
- 5~6を繰り返す
インクラインベンチプレスは通常のベンチプレスと違い、ベンチ台の背もたれの部分を斜めに傾斜させた状態で実施するベンチプレスのこと。主に大胸筋上部を集中して鍛えることができるエクササイズで、ベンチプレスやダンベルプレスと合わせて胸の形を綺麗に鍛えることができる優れたエクササイズのひとつです。
ダンベルベンチプレス
- 両手にダンベルを握る
- ベンチ台に仰向けで寝る(頭・両肩・お尻・両脚をベンチもしくは床につける)
- ダンベルを胸の横に構える
- 肩の正面にダンベルがくるように押す
- ③の位置までダンベルを降ろす
- 4~5を繰り返す
ダンベルベンチプレスは主に大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋といった上半身で押す動作に関わる筋肉を鍛えることができる多関節エクササイズ。以下でダンベルベンチプレスの基本的なフォームを紹介します。
インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは大胸筋のトレーニングですが、中でも大胸筋の上部を鍛えるのにおすすめです。注意すべきはベンチ台の傾斜の角度。一般的なフィットネスメディアなどではベンチ台の角度は45度を推奨されていますが、近年の研究によればインクラインダンベルプレスに関しては30度でトレーニングすることが推奨されます。
- ベンチ台に仰向けで寝る
- ダンベルを胸の横にくるように腕を折り曲げて準備
- 力強く押す(腕を伸ばしきったときに両こぶしが肩の真正面にくるように)
ベンチプレスの重量を伸ばすためのセット数
ベンチプレスの記録を伸ばすためには、当然ながらベンチプレスをするのがベストです。
目安は「週あたり10セット。ある程度経験のある方であれば10セット~20セットの間で適宜調整すること」です。筋トレ経験が1年前後の初心者であれば、週に10セット以内でおこなう。それ以上の経験年数がある人は10セットから20セットの間でセット数を増やしていきましょう。
ただし、筋肉の疲労を回復しつつトレーニングしなければケガのリスクが高くなったり、トレーニングの質を低下させることにつながるため、十分に疲労を抜きつつトレーニングできるように適宜、休息を挟むようにしましょう。
ベンチプレスの補助種目の選び方
ベンチプレスの記録を伸ばすために補助種目に取り組んでいくとしても時間と体力は有限なので、すべてのトレーニングをおこなうわけにはいきません。特に弱点と感じている部分や、動作に対して効果的なトレーニングを選択して取り組むようにしましょう。
例としては
- 上腕三頭筋の強化→ナローグリップベンチプレス、ナロープッシュアップ
- 肩関節・肩甲骨の安定性向上→プッシュアップ
などが挙げられます。
まとめ
ベンチプレスは男のロマン(もちろん女性にもおすすめのエクササイズですが)ともいえる人気のエクササイズです。挙上重量を伸ばすことは理屈抜きに楽しさのある行為ですが、成長は常に直線的に伸びていくわけではなく、時として成長の鈍化や停滞にぶつかることもあるでしょう。そんなときにこそ、今回紹介したような補助種目を上手に取り入れてベンチプレスの記録を伸ばしていきましょう。
