デッドリフトの正しいやり方|効果を高めるフォーム・メリット・デッドリフトのバリエーションについて徹底解説

デッドリフトの正しいやり方|効果を高めるフォーム・メリット・デッドリフトのバリエーションについて徹底解説

デッドリフトはジムでおこなうエクササイズのなかでも最も基本的な多関節種目であるといえるでしょう。

デッドリフトは筋肉をつけて、筋力を高めるうえでも非常に効果的であり、得られた効果はスポーツシーンはもちろん日常生活にも活かされます。

今回の記事ではデッドリフトについてフォーム・メリット・デッドリフトのバリエーションや、デッドリフトをさらに効果的におこなうために揃えておくといいグッズまで、デッドリフトに関するあらゆる情報について徹底的に解説していきます。

筆者情報

この記事を書いた人:今野栄也人(こんのはやと)
編集長

宮城県仙台市内でパーソナルジム「TRI FITNESS」を運営。年間4000件を超える指導件数を誇る。警察学校や専門学校での講師としても活動している経験豊富なトレーナー。

目次

正しいデッドリフトのフォーム

コンベンショナルデッドリフト(床から引き上げるデッドリフトのこと、以下デッドリフト)は、全身の筋肉(主に体の後面の筋肉)をデッドリフト一種目で鍛えることができる素晴らしいエクササイズ。

デッドリフトには多くのバリエーションがありますが、まずは基本的な王道のデッドリフトを習得するようにしましょう。

デッドリフトの正しいやり方
  • 足は腰幅・爪先はまっすぐ向けて立つ
  • バーを土踏まずの上にくるように設置
  • 肩幅でバーベルを握る
  • バーが脛にあたるようにしながらお尻を落としてしゃがむ
  • バーを体に密着させたまま、両脚で地面を押し立ち上がる
  • 4と5を逆再生するようにバーベルを降ろしていく
  • 4~5を繰り返す

セット数と回数

デッドリフトは動作が難しく、特に正しい姿勢を保持するのが難しいので、他の単関節エクササイズ(アームカール、サイドレイズなど)と違い、低回数・高セットで鍛えるのがおすすめです。

目安は以下を参考にしてください。

デッドリフトの回数・セット数目安
  • 初心者:5回×3セット
  • 筋力向上目的:3回×5セット
  • 筋肥大:5回×5セット

一般的には筋力向上目的であれば1セットあたり3~5回。筋肥大目的であれば1セット当たり8~10回前後で組まれることが多いですが、デッドリフトに関しては正しい姿勢を保つのが難しく、1セット当たりの挙上回数が多いと、疲労や集中力の関係で正しいフォームを維持するのが難しいためデッドリフトでは1セット当たり3回~5回程度でセットを組むのがおすすめです。

デッドリフトの重量目安

デッドリフトをトレーニングプログラムに加えるにあたり、重要なのが”重量設定”。しかし、これまでデッドリフトをトレーニングプログラムにいれていなかった人の場合、どのくらいの重量でおこなえばいいかわからないこともあるでしょう。

そこで、経験に応じたデッドリフトの挙上重量の目安を載せておくので参考にしてください。

レベル重量基準
初心者体重×1.0倍
中級者体重×1.5倍
上級者体重×2.0倍

もちろん経験値や体格などによっても、影響をうけるので表にある数値を参考にしつつ、自分自身に合った重量に設定しておくといいでしょう。

デッドリフトを正しくおこなうために工夫する点

デッドリフトをおこなううえ起こりやすいミスと、改善するためのアイデアを紹介します。

デッドリフトを正しくおこなうための工夫点
  • ボトムで背中が丸くなってしまう→ブロックなどを下に敷く
  • 握力がもたない→握り方をオルタネイトグリップに変更、リストストラップの活用
  • 腰痛が怖い→種目を思い切って変えてみる

ボトムで背中が丸くなってしまう→ブロックなどを下に敷く

柔軟性が低く、床に置いたバーベルを握ろうとすると腰が丸まってしまうという場合は、バーの下にブロックなどを接地して可動域を制限しておこなうといいでしょう。ただし、可動域を制限するということはトレーニング効果も下がってしまうということなので、一旦ブロックで可動域を制限しておこないつつもストレッチなどで柔軟性を高めて床から適切なフォームでおこなえるようにしていきましょう。

握り方をオルタネイトグリップに変更、リストストラップの活用

デッドリフトは高重量を手で支えなければいけない種目です。限界に近い重量になってくると、脚や背中が限界をむかえる前に握力が限界に達してしまう場合もあります。そういった場合の対策としては一つはオルタネイトグリップという握り方にしてみましょう。

オルタネイトグリップとは左右の手を順手と逆手で左右交互に握る方法です。バーベルを前後から握ることで握力を強力にサポートしてくれる効果が期待できます。

そのほかに握力をサポートする方法として「リストストラップ」を活用する方法があります。リストストラップは手首とバーベルにバンドを巻き付けて使用することで握力の補助をしてくれる役割を担うアイテムです。実際に使用してみるとわかりますが、かなり手にかかる負荷が減少するので楽になります。

パワーリフティングのように握力そのものが競技力のためにトレーニングしている場合はオルタネイトグリップを活用し、それ以外であくまでも純粋に背中や脚のトレーニングとしておこなう場合はリストストラップを活用するといいでしょう。

腰痛が怖い→種目を思い切って変えてみる

デッドリフトを一定期間取り組んだ経験のある方であればわかるかもしれませんが、デッドリフトはかなり腰への負担が大きい種目です。柔軟性が低く適切な姿勢が取れない場合や、これまでに腰痛の既往歴のある場合はデッドリフトで腰痛を再発・発症してしまう可能性があります。

デッドリフトは非常に効果の高いエクササイズなので、ぜひ取り組んでいただきたいですが、一旦近いトレーニング効果を得られる種目に代替するというのも選択肢のひとつ。

デッドリフトの代替種目で代表的なものではスモウデッドリフト・トラップバーデッドリフトシングルレッグデッドリフトなどが挙げられます。まずはこういった腰への負担を軽減しつつも、デッドリフトに近い効果が得られる種目に置き換えてトレーニングするのもおすすめです。

デッドリフトのバリエーション

デッドリフトに必要な筋力や動作習得に役立つ、デッドリフトのレベル調節におすすめなデッドリフトの2つのバリエーションを紹介します。

デッドリフトのバリエーション2つ
  • ラックプル
  • ルーマニアンデッドリフト
  • スモウデッドリフト

ラックプル

ラックプルとはバーベルを、ラックのセーフティバーに乗せるなどして可動域を制限した状態でおこなうデッドリフト・ルーマニアンデッドリフトの1種です。柔軟性が低く、深くバーベルを降ろしていくと腰が丸まってしまうなど正しい動作ができない場合、まずはラックプルから始めてみるのも選択肢のひとつです。

ルーマニアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトは太もも裏や背中を鍛えることができるエクササイズです。デッドリフトと異なり、直立の姿勢から股関節を折りたたむヒップヒンジ動作のみおこなうエクササイズなのが特徴です。

まずはこのルーマニアンデッドリフトを正しくできなければ、さらに可動域を大きくするデッドリフトに進むことはできません。一定期間、しっかりとルーマニアンデッドリフトに取り組んで、納得のいくフォームでトレーニングできるようにしてからデッドリフトへ進むようにしましょう。

スモウデッドリフト

スモウデッドリフトは通常のデッドリフト(コンベンショナルデッドリフト)と同じく、全身を鍛えられる効果的・効率的なエクササイズのひとつ。

デッドリフトで腰に違和感があったり、腰が丸まって正しいフォームで動けないときはスモウデッドリフトに代替するのもおすすめです。

デッドリフトはどこの筋肉を鍛えられるの?

デッドリフトは一度に多くの筋肉を鍛えることができる素晴らしいエクササイズです。中でも、大殿筋・ハムストリングス・脊柱起立筋といった体の後面に位置する大きな筋肉を鍛えることができるため、一般的なボディメイクはもちろん、アスリートの競技パフォーマンスにも役立ちます。

大殿筋

デッドリフトは股関節伸展動作が主な動作になります。大殿筋は股関節伸展の役割を担っており、股関節を折りたたんだ状態から、上半身を起こすときに大きな力を発揮します。

ハムストリングス

ハムストリングスも大殿筋同様に、股関節を軸に上半身を起こす動きで役立つ筋肉。太腿裏の筋肉であるハムストリングスは主に走動作やジャンプ動作でのパワー発揮をするうえで重要な筋肉のひとつです。

脊柱起立筋

脊柱起立筋は重量物を持ったときなどに、姿勢を正しく保つうえで重要な背中の筋肉。

デッドリフトのメリット

デッドリフトをトレーニングプログラムに入れることは、多くのメリットがありますが中でも大きなものはこの2つ。

デッドリフトのメリット
  • 腿裏・お尻・背中を一度に鍛えられる
  • 機能的なカラダづくりをおこなえる

腿裏・お尻・背中を一度に鍛えられる

時間がなくて、1回のトレーニングにそこまで時間を割くことができないことも多いはず。そんなときでも、とりあえずデッドリフトをやるだけで腿裏・お尻・背中といった、体の後面にある筋肉を効率よく鍛えることができます。

機能的なカラダづくりをおこなえる

デッドリフトは多くの筋肉を動員して、効率的に鍛えるだけではなく、日常動作や競技力を高めるための”機能的な体づくり”としてもすぐれています。デッドリフトの動作の本質は「正しい姿勢で安全に床からものを持ち挙げる動き」。このときに求められる股関節を軸に上半身を折りたたむヒップヒンジ動作は、物を床から拾い上げるときや、力強いジャンプ、スピード感溢れるダッシュなど様々な場面で役立ちます。

デッドリフトのよくある間違い

デッドリフトでよくみられる間違いについて紹介します。ここに挙げるデッドリフトの間違いは注意しないとフォームが崩れたり、怪我のリスクを高めるので、ここに挙げた間違いが自分のフォームでも起きていないかチェックしてみましょう。

腰が丸くなっている

デッドリフトで最も多いのが「腰が丸くなっている状態でバーベルを持ち挙げようとする」ことです。

腰が丸くなっている状態でバーベルを挙げると、椎間板(背骨の骨と骨の間にある軟部組織)に大きな圧縮力がかかり腰痛の原因になり、酷いと椎間板ヘルニアになってしまうリスクがあります。

腰を痛めないためには背筋を伸ばし、腹圧を十分に高めて綺麗に上半身がまっすぐな状態でデッドリフトをおこなうようにしましょう。動作に不安がある場合は、一旦基礎に立ち返って背筋を伸ばして股関節の屈曲をおこなうヒップヒンジ動作をおさらいしておくことも重要です。

また、基本はできているものの限界まで追い込むと腰を痛めそうで不安だという人は、念のためリフティングベルトを着用することで腰が丸まって腰痛になるリスクを下げてくれます。

バーパス(バーの通る軌道)が体から離れている

バーパスとはデッドリフトでバーベルを床から挙げて降ろすまでの軌道のことをさします。バーの軌道はできるだけ地面に対して垂直に動きつつ、体から離れないようにするのが理想的です。

このバーパスが体から離れた軌道を描いてしまうと、理想的な軌道を描いて挙げた場合のデッドリフトと比べて腰への負担が増大したり、重心の位置が前にいくことでバランスを崩すリスクが増えます。

  • バーの軌道は地面に垂直にまっすぐ
  • バーが体から離れていないか

この2点を確認してデッドリフトをおこなうようにしましょう。

デッドリフトのよくある質問

デッドリフトに関するよくある質問をまとめました。これからデッドリフトに本格的に挑戦しようと思っている人はぜひ参考にしてみてください。

初心者でもデッドリフトはできますか?

もちろん可能です。どのようなレベルの人でもデッドリフトはできます。ただし、ここで重要なことは正しいヒップヒンジ動作を身につけたうえで、ダンベルやケトルベル、バーベルなどの重りを持つようにきちんとステップを踏んで進めていくことです。

デッドリフトにはどのようなメリットがありますか?

デッドリフトは全身の筋肥大・筋力向上に役立ちます。また、デッドリフトの動作によって鍛えられた力強い股関節の動作はジャンプやダッシュなどの競技パフォーマンスにも活きてきます。

デッドリフトはどこの筋肉を鍛える効果がありますか?

デッドリフトをおこなうことで鍛えられる筋肉はハムストリングス・大殿筋・脊柱起立筋です。もちろん、これ以外にも使う筋肉はありますが、主に鍛えられるのはこの3つの体の後ろにある筋肉になります。

まとめ

デッドリフトは数あるエクササイズのなかでも、非常に優れたエクササイズひとつです。たったひとつの種目で全身の筋力を高め、日常動作やスポーツで大事な動作の能力を向上させることができるエクササイズ。どのような目的にたいしても、ほぼすべてにおいておすすめできる数少ないエクササイズがデッドリフトです。これまで「なんだか難しそう」と感じて、プログラムにとりいれてこなかった方も、ぜひ今回の記事を参考にしてデッドリフトを始めてみませんか?

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