「クランチが腹筋に効かない」
「どうすれば腹筋に効かせることができるの?」
クランチをはじめ、腹筋を鍛えるトレーニングといわれるエクササイズをやったものの腹筋に効いている感覚がない…そんなふうに感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
腹筋のエクササイズは、スクワットはじめ他のエクササイズと比較して動作は一見シンプル。ですが、じつは正しく腹筋に効かせるのは難しいことも。これまで腹筋に効かせられずにいた人も、ちょっとしたコツやエクササイズをとりいれるだけで、腹筋の効き方が大きく変わります。
そこで、今回の記事では腹筋トレーニングが腹筋に効かないと感じている人へ向けた、腹筋トレーニングのコツや、効かせるための事前に行っておきたいエクササイズまで徹底的に解説していきます。
腹筋の構造
腹筋トレーニングで腹筋を聞かせるために、まずは腹筋の構造について簡単にでいいので知っておきましょう。腹筋は複数の筋肉が重なってできていますが、今回は腹筋と名の付く筋肉の中でも見た目の改善に最重要な「腹直筋」について紹介します。

| 起始・停止 | 起始は第5~7肋軟骨と剣状突起、停止は恥骨結合と恥骨稜 |
|---|---|
| 作用 | 腰椎の屈曲、腰椎の側屈、骨盤の後傾 |
いわゆる「シックスパック」を形作るうえで最重要なのがこの腹直筋。腹直筋の起始は第5~7肋軟骨と剣状突起、停止は恥骨結合と恥骨稜。一般の方向けに簡単に説明すると「胸と骨盤にくっついている」のが腹直筋です。
筋肉を鍛えるということは筋肉に負荷をかけた状態で伸び縮みさせること。腹直筋でいえば胸と骨盤を近づけるように背中を丸める動きが腹直筋を鍛える動作になるということです。
腹直筋を効率的に鍛えるエクササイズ「クランチ」

先ほどもお伝えしたように、腹直筋を鍛えるためには腹直筋を十分に伸び縮みさせる必要があります。そして、腹直筋を伸び縮みさせるためには肋骨と骨盤を近づけるようにする背中を丸める必要があるのですが、この動作を忠実に実施できるエクササイズというのが「クランチ」です。
クランチはシットアップ(いわゆる状態おこし)と違い、骨盤の動きは出ずに純粋に背中を丸める動きだけできるので、腰や腸腰筋へ負荷をかけずに腹直筋だけを鍛えることができます。
実際にクランチとシットアップの2種類の腹筋を鍛えることができるエクササイズで腹筋群、背筋群、さらに股関節屈曲筋の活動を表面筋電図を用いて解析した研究によれば、腹直筋の活動はエクササイズ間で差はないものの、シットアップの方が股関節屈曲筋の活動が高く骨盤の前傾をまねいて腰痛のリスクが高くなるため、安全かつ腹直筋を効果的に鍛えたいならクランチが推奨されるということがあきらかにされています。
参考:An electromyographical study of trunk muscle activities during different abdominal exercises
クランチが腹筋に効かない原因
理論上クランチは腹筋を鍛えるうえで非常に効果的なエクササイズのひとつです。しかし、一方でクランチをおこなっていても腹筋に効いている感じがしないという方が多いのでも事実。そこで、まずはクランチが腹筋に効かない原因について解説します。
- クランチのやり方が誤っている
- 胸椎が硬く背中を丸められていない
クランチのやり方が誤っている
クランチは膝の位置が地面に対して垂直にくるようにした状態で、仰向けで寝ます。ここで膝の位置が垂直より足側にくると股関節屈曲筋である腸腰筋がわずかながら働きます。
これにより、本来腸腰筋が働きにくいはずのクランチですが、膝の位置が本来の位置よりもずれることで股関節屈曲筋である腸腰筋が働き骨盤が前傾してしまい腹筋に効かないばかりか、腰痛の原因になることもあります。
胸椎が硬く背中を丸められていない
胸椎とは背骨の中で首と腰の間にある12個の骨のこと。体を捻る(回旋)、上半身を反らす(伸展)、丸める(屈曲)動きを担っています。
この胸椎が硬くなり動きが悪くなることで、背中を丸める動きがうまくできずクランチの動作をしても背中を丸められず肝心の腹直筋に効かせられないということに。
クランチを腹筋に効かせるためのコツ
クランチで腹直筋に効かせられないと悩んでいる方に、腹直筋に効かせるためのコツをお伝えします。
- クランチを正しいフォームでおこなう
- 胸椎の伸展可動域を出すエクササイズをおこなう
- 息を吐きだしながらクランチをおこなう
クランチを正しいフォームでおこなう
本来、腹直筋に効くはずのクランチですが誤ったフォームでおこなうと、腹直筋に効かず腸腰筋など他の筋肉ばかり使うことに。そこでまずはクランチの正しいフォームを紹介するので、自分のやり方が間違っていないかチェックしましょう。
- 膝を90度に曲げた状態で足を持ちあげ仰向けで寝る
- ヘソを観るように背中を丸める
- 背骨をひとつづつゆっくりと床にくっつけるように丁寧におろす
- 2~3を繰り返す
- 反動をつかわない
反動をつかうと本来鍛えられるはずの腹直筋への負荷が逃げてしまいます。
胸椎の伸展可動域を出すエクササイズをおこなう
胸椎の硬さが背中を丸める動作を制限し、肝心の腹直筋が充分に収縮・伸長しないことで思うように鍛えられないという問題が起こります。
そこで胸椎の伸展可動域を広げるためのエクササイズを紹介します。
- フォームローラーをみぞおちの裏あたりにあたるように敷いて仰向けで寝る
- フォームローラーを支点に背中を反らす
- 1の姿勢に戻る
- 2~3を繰り返す
- 息を止めずにおこなう
息を止めることで胸椎周辺の筋肉が緊張し、可動域が制限されます。リラックスするためにも呼吸は留めずにおこないましょう。
息を吐きだしながらクランチをおこなう
腹直筋は背中を丸めるだけではなく、息を吐く際にも使われます。そこでクランチというエクササイズだけではなく、クランチの動作に呼気も併せることで、より一層強く腹直筋が使われて効率的に腹直筋を鍛えることができるようになります。
まとめ
腹直筋はお腹の見た目を決定づける重要な筋肉。その腹直筋を鍛えるうえで特に効果が高いのがクランチです。シンプルなように見えるクランチですが、ちょっとしたコツを実践できるか否かで、同じクランチでもその効果は圧倒的に変わってきます。
クランチが腹直筋に効いている実感がなくて悩んでいる人は、ぜひ今回の記事を参考にしてクランチをもう一度取り入れてみてはいかがでしょうか。
