- 筋トレによる健康効果
- 短時間で効果が出やすい筋トレのコツ
「筋トレ」と聞いて、あなたは何を想像しますか?
おそらく多くの人は
「軽量バーベルを持ち上げるムキムキの男性」
「ストイックに体を追い込むアスリート」
このような、少しハードルの高いイメージを抱くのではないでしょうか。
しかし、実は筋トレにはそれだけではなく健康にとってもうれしい効果があることが分かったのです。
「マッチョになる」ということを目的とせずとも、週に数回ほんの少しの時間と労力をやすだけで、私たちの体は計り知れない恩恵を受けることができます。
本記事では、筋トレによる健康効果について論文をまじえながら紹介していきたいと思います。
筋トレの健康効果についての論文紹介

2021年に東北大学・九州大学・早稲田大学の研究チームが論文の一部を抜粋します。
筋トレを実施すると、総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクは10〜17%低い値を示し、総死亡・心血管疾患・がんについては週30〜60分の範囲で最もリスクが低く、糖尿病は実施時間が長ければ長いほどリスクが低くなることが明らかとなりました。さらに、筋トレの実施時間が週130~140分を超えると、総死亡・心血管疾患・がんに対する筋トレの好影響は認められなくなり、リスクは高い値を示しました。
東北大学プレスリリース「ムキムキを目指すだけが筋トレではない。筋トレで死亡・疾病リスクが減少 週 30~60 分を目安に」
なんと週に30分~60分の筋トレで総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクを下げるということが明らかに。
筋肥大などを考えた場合には、総負荷量が効果の大きさを左右するためある程度の時間が必要ですが、健康目的で考えるとこれだけ少ない時間筋トレするだけで効果が得られるというのです。
また、ポイントは「やりすぎは逆効果」という点です。
週に130分~140分を超えるとむしろ糖尿病以外のリスクについては上がってしまうとのこと。
「なかなか時間がなくてジムにいけない」と嘆いている人にとって、こんな短時間でも効果を得られるというのですから非常にうれしい発表ではないでしょうか。
ボディメイクと健康の両立

「健康のためには30分~60分の筋トレが効果が高く、週130分~140分を超えると糖尿病以外のリスクは上がる」
しかし、ボディメイクのために筋肉をつけるためには総負荷量を高めるためにある程度の時間を費やす必要があるというジレンマが。
この2つの目的を両立させることはできないのでしょうか。
結論「ボディメイクと健康の両立は可能」
あくまでも時間がどれだけかかるかが問題であるならばボディメイクと健康の両立は可能だと考えられます。
ただし、そのためにはちょっとしたコツが必要なので紹介します。
ボディメイクと健康の両立のコツ
30分~60分の短時間の筋トレが効果が高いのであれば、その短時間で終わるように筋トレをすればいいということ。
ボディメイクのために筋トレをするためには、全身まんべんなく鍛える必要があり必然的にトレーニング時間が長くなりがちなのですが、上手にコツをおさえてトレーニングプログラムを組むことで短時間で効果的な筋トレができるようになりますので、そのコツをご紹介します。
- 多関節種目
- スーパーセットを活用する
多関節種目
バックスクワットやデッドリフトなどの、多くの関節を連動させて動作する筋トレ種目のことを「多関節種目」といいます。
多くの関節がかかわるということは、その関節を動かすための筋肉もたくさん動いていることになります。
1種目で多くの筋肉が動員される多関節種目は、効率的に全身の筋肉を鍛えるうえで必須といってもいい種目です。動作の習得は比較的難易度が高めになりますが、単関節種目にはない圧倒的な効率の良さを手に入れられるのでぜひとも、きちんと覚えるようにしましょう。
スーパーセットを活用する
スーパーセットとは主働筋 + 拮抗筋、もしくは押す種目 +引く種目というように、逆の動作をする種目同士を組み合わせて2種目で1セットとするトレーニング方法。
例えばアームカールとキックバック(腕の引く種目+腕の押す種目)や、シーテッドロウと腕立て伏せ(上半身の引く種目と上半身の押す種目)などがいい例です。
使い方が違う筋肉同士鍛えるとはいえ、決して楽ではないためどうしても挙上重量が低下してしまうので最大筋力を高める目的で筋トレしている人にはあまり向かないセットの組み方ですが、あくまでもボディメイク目的でかつ健康効果を得たいという方は、こういったテクニックを活用することで時短・効果の両方が得られます。
ただし、このテクニックはそこそお疲労度が高く集中力とある程度の技術の習熟が求められます。
きちんと正しいフォームを獲得してから導入するのがいいでしょう。
30分で終わる筋トレプログラムの例
では、最後に具体的な30分で終わる筋トレプログラムの例を紹介しましょう。
A1 ブルガリアンスクワット 8回×3セット
A2 ベントオーバーロウ 8回×3セット
B1 ルーマニアンデッドリフト 8回×3セット
B2 ダンベルプレス 8回×3セット
C1 アームカール 12回×3セット
C2 スカルクラッシャー 12回×3セット
上の表では同じアルファベットが最初についている種目(A1ブルガリアンスクワットとA2ベントオーバーロウ)をスーパーセットで実施するようにしています。
計6種目ありますが、慣れればだいたい30分前後で終わることができます。
これを週に2回もやれば、ボディビルなどのコンテスト出場レベルは難しいかもしれませんが、一般的に筋肉質な体型にはなれるかと思います。
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットはスクワットと同様にお尻や太腿前を鍛えるのに非常に効果的なエクササイズ。片足で実施することで重い重量を担がずとも、十分な効果を得られるため腰への負担を減らしつつ安全に鍛えることができるので初心者にもおすすめです。
- 片脚を後ろのベンチに乗せる
- 前方の足を爪先を真正面にむけて立つ
- お尻を引きつつしゃがんでいく(しゃがみきったところで上半身と脛が平行になるイメージ)
- しゃがみきったら力強く立ち上がる
ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウは広背筋や脊柱起立筋などを効率よく鍛えることができるエクササイズ。背中が丸くならないように気を付けなければいけないので、まずはルーマニアンデッドリフトを習得してから取り入れるようにしたい種目です。
- 両脚を肩幅程度に広げて立つ
- バーベルを肩幅程度で保持
- 上半身を水平になるくらいまで前傾させる
- 3の姿勢を保ったままバーベルを腹までひきつける
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは背中と太ももの裏側を鍛えるエクササイズ。正しいフォーム習得には難易度が高いエクササイズですが、モモ裏を鍛えるのに最高のエクササイズなのでぜひ習得したいエクササイズの1つ。
- 爪先はまっすぐ、腰幅で立つ
- バーベルを順手・腰幅で持つ
- 腰から頭までまっすぐにした状態で股関節から上半身を折りたたむ
- 上半身が水平程度まで下がったら直立の姿勢まで戻る
ダンベルプレス
ダンベルプレスは大胸筋・三角筋・上腕三頭筋を鍛える種目。バーベルでのベンチプレスもいいですが、ダンベルでおこなうことで大胸筋の収縮を感じやすく、初心者にもおすすめです。
- 仰臥位でベンチに寝る(頭部・両肩・お尻・両脚がきちんと地面もしくはベンチに設置した状態で)
- ダンベルを肩幅で腕を完全に伸ばした状態で保持
- 両手が乳頭の横にくるようにダンベルを降ろす
- 降ろしきったら、そこから力強くスタートのポジションまで押しきる
アームカール
アームカールは上腕二頭筋(力こぶの部分)を鍛えるエクササイズ。肘の曲げ伸ばしというシンプルな動作なため初心者にも取り組みやすい種目です。
- バーベルを肩幅で保持
- 肘を完全に伸ばしきったところ、もしくは若干二頭筋に緊張がある状態からスタート
- 肘が完全に曲がるところまでバーベルなどを持ち上げる
- 2~3秒程度時間をかけて丁寧に腕を伸ばしていく
スカルクラッシャー
スカルクラッシャーは上腕三頭筋を鍛えるうえで効果的な種目。
- 仰臥位でベンチに寝る(頭部・両肩・お尻・両脚がきちんと地面もしくはベンチに設置した状態で)
- バーベルを肩幅よりも少し狭い手幅で持ち、肩の正面に位置するように保持
- おでこの上端につけるように降ろしていく
- 力強く腕を伸ばしきる
まとめ
筋トレはボディメイクはもちろん、健康にも非常に大きな効果があることがわかりました。
健康を目的とした場合には30分~60分と短い時間で済むのですが、ボディメイク目的となると変わってきます。
自分がどういった目的で筋トレをしたいのか。
現実的にどのくらいの時間が確保できるのか。
こういったポイントをきちんと押さえて、自分だけの筋トレ習慣をつくりましょう。

